春の穏やかな午後、私たちの家族に新しい仲間が加わった日のことを、今でも鮮明に覚えています。大きな青い瞳と、シルバーとホワイトの美しい被毛を持つハスキー犬のルナが、私たちの生活に華やかな彩りを添えてくれることになったのです。
最初は正直、不安でいっぱいでした。ハスキーといえば、そりを引く working dog。活発で扱いが難しい犬種というイメージが強かったからです。主人も私も、大型犬を飼うのは初めての経験。特に、4歳の娘がいる我が家で大丈夫なのかという心配が頭をよぎっていました。
しかし、そんな不安は杞憂に終わりました。ブリーダーさんの元で最後の挨拶をして、ルナを抱き上げた瞬間、彼女は尻尾を振りながら私の顔を優しく舐めてくれたのです。その温かい仕草に、私の心は一気に溶けていきました。
家に連れて帰ってきたルナは、予想以上に賢く、人懐っこい性格でした。確かにエネルギッシュではありますが、家の中では驚くほど落ち着いた振る舞いを見せてくれます。特に娘との関係は本当に微笑ましいものです。娘が絵本を読んでいると、そっと横に座ってじっと耳を傾けるような仕草を見せたり、娘が転んで泣いているときには、すぐに駆け寄って心配そうに顔を覗き込んだりします。
ハスキーは本来、pack dog(群れで行動する犬)として知られています。そのため、家族との絆を非常に大切にする性質があるのです。ルナも例外ではありませんでした。主人が仕事から帰ってくる時間になると、玄関で待ち構えて、帰宅するなり嬉しそうに飛び跳ねて出迎えます。私が台所で料理をしていると、いつの間にか足元でくつろいでいたり。まるで、家族の様子を見守っているかのようです。
散歩も、想像していたよりもずっと楽しいものになりました。確かにハスキーは運動量が多い犬種です。でも、それは決して負担ではありません。むしろ、家族で公園に出かけることが日課となり、健康的な生活リズムが自然と身についたように感じます。ルナは引っ張る力が強いものの、基本的なトレーニングを重ねることで、リードを引っ張ることも少なくなりました。
寒い日には特に生き生きとします。雪が降った日のルナの姿は圧巻でした。まるで別の犬かのように活発に走り回り、雪の中をクルクルと回って遊ぶ姿は、北国の血を引く犬ならではの光景です。そんな姿を見ていると、私たち家族も自然と笑顔になります。
もちろん、多少の苦労もありました。抜け毛の量は想像以上で、特に換毛期には掃除機をかける頻度が格段に増えました。また、留守番をさせる際には十分な運動と気を紛らわせるおもちゃが必要です。でも、これらの手間は、ルナが私たちにくれる喜びに比べれば、本当に些細なことだと感じています。
最近では、近所の方々にも随分と評判になっています。「こんなに大人しいハスキーは初めて見た」と驚かれることも。実は、ハスキーは見た目の印象とは裏腹に、非常に温厚で優しい性格なのです。確かに活発ですが、それは決して攻撃的という意味ではありません。むしろ、人との関わりを心から楽しむ、愛情深い犬種だと実感しています。
夕暮れ時、リビングでくつろぐ私たち家族。ソファの上で娘が宿題をしている傍らで、ルナが穏やかに寝そべっている光景は、今では当たり前の風景となりました。大きな体で娘にもたれかかりながら、時折優しい目で家族を見つめるルナ。その姿を見るたびに、彼女を家族に迎えることができて本当に良かったと心から思います。
ハスキーを迎えようか迷っている方がいらっしゃいましたら、ぜひ一歩を踏み出してみてください。確かに責任は伴いますが、きちんとした準備と理解があれば、これ以上ない素晴らしい家族の一員となってくれることでしょう。私たちの経験が、そんな方々の背中を少しでも押すことができれば幸いです。
今日も、青い瞳で私たちを見つめるルナは、私たち家族の大切な一員。その存在は、日々の生活に温かな潤いと、かけがえのない幸せをもたらしてくれています。ハスキーと暮らす日々は、想像以上の優しさと愛情に満ちた、素晴らしい時間なのです。
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