「思い切って迎えたハスキー犬が教えてくれた、私たち家族の新しいカタチ」

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窓から差し込む朝日に、シルバーグレーの毛並みが輝いて見える。我が家のハスキー犬、ルナが私の足元でくつろいでいる姿に、今でも時々現実感を覚えることがある。最初は躊躇していた大型犬との暮らしも、今では私たち家族の日常そのものとなっている。

「ママ、ルナとお散歩行きたい!」4歳の娘が休日の朝からはしゃいでいる。主人は既に準備を整え、リードを手に取っている。そう、これが今の我が家の休日の風景だ。ハスキー犬を飼うことを決めた2年前、正直なところ不安でいっぱいだった。大型犬特有の力強さや運動量、そして何より小さな子供との相性を心配していた。

でも、そんな心配は杞憂に終わった。ルナは想像以上に穏やかで、家族思いの犬だった。確かにハスキーは見た目は凛々しく、時に野生的な印象を与えるかもしれない。しかし、実際に一緒に暮らしてみると、その人懐っこさと優しさに驚かされる。特に子供に対しては驚くほど慎重で、娘が転んでしまった時には真っ先に駆け寄り、心配そうに様子を見るのだ。

私たちが寝ている間も、ルナは家族の見張り番として静かに過ごしている。深夜に娘が喉が渇いて起きた時も、さりげなく付き添って水を飲みに行く姿を見かけたことがある。そんな細やかな気遣いができる犬だとは、飼う前には想像もしていなかった。

確かに、ハスキーならではの特徴はある。運動量が多いことは間違いない。毎日の散歩は欠かせないし、できれば1日2回は外に連れ出してあげたい。でも、それは私たち家族にとってもプラスになっている。休日の朝の散歩は、今では家族の大切な時間となった。近所の公園で思い切り走り回るルナを見ながら、私たちも自然と体を動かすようになった。

「あら、ルナちゃん今日もお散歩?」近所の方々もすっかりルナのファンだ。シベリアンハスキーの特徴的な容姿は、確かに人目を引く。でも、その見た目の印象とは裏腹に、ルナは誰に対しても友好的だ。特に子供たちには本当に優しい。公園で出会う子供たちにも尻尾を振って挨拶をし、撫でられるのを嬉しそうに待っている。

食事の時間になると、ルナは台所に来てじっと私を見つめる。決して無理強いはしないが、その大きな瞳で「ご飯の時間だよ」と教えてくれる。賢く、でも押しつけがましくない。そんなルナの性格は、まさにハスキーという犬種の特徴そのものだと感じている。

主人が帰宅する時間になると、ルナは玄関近くでそわそわし始める。家族の一人一人の生活リズムを把握していて、誰かが帰ってくる時間を心待ちにしているのだ。玄関が開くと、尻尾を大きく振って出迎える。その姿を見るたびに、私たちの決断は間違っていなかったと実感する。

もちろん、始めから全てが順調だったわけではない。ハスキーの特徴である「抜け毛の多さ」には、最初は戸惑った。特に換毛期には、まるで雪が降ったかのように毛が舞う。でも、定期的なブラッシングを日課にすることで、今では上手くコントロールできている。それに、このブラッシングの時間が、ルナとのスキンシップの大切な機会にもなっている。

「ルナ、おいで」と呼べば、どんな時でも嬉しそうに駆け寄ってくる。その純粋な反応に、疲れていた心が癒されることも多い。私が落ち込んでいる時は、そっと寄り添ってくれる。家族の気持ちを察する繊細さを持っているのだ。

夜になると、リビングの隅に置いたクッションで寝そべるルナ。でも、私たちが「おやすみ」と声をかけると、自分のベッドまでついてきて、みんなが就寝するのを確認してから、また自分の定位置に戻っていく。そんな気遣いも、今では当たり前の光景となった。

ハスキーを飼うことを考えている方々へ。確かに大型犬との暮らしには、それなりの覚悟と準備が必要かもしれない。でも、その分だけ、いや、それ以上の喜びと幸せを家族にもたらしてくれる存在だということを、私たちの経験から伝えたい。

特に子供のいる家庭では、ハスキーの穏やかさと忍耐強さは、とても心強い味方となる。子供の成長を見守り、時には遊び相手となり、時には守り手となってくれる。そして何より、家族の絆を一層深めてくれる存在なのだ。

今では、ルナがいない生活は想像できない。朝の散歩から、夜の団らんまで。全ての時間に、さりげなくルナが寄り添っている。そして、私たちもまた、ルナという家族の一員を心から大切に思っている。

ハスキーと暮らすということは、新しい家族を迎えるということ。それは決して簡単なことではないかもしれない。でも、その分だけかけがえのない存在となり、家族の生活をより豊かなものにしてくれる。私たちの経験が、これからハスキーとの暮らしを考えている方々の背中を、少しでも押すことができれば嬉しい。

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