春の柔らかな日差しが差し込む朝、いつものように私は愛犬のハスキー、モカに起こされました。大きな青い瞳で見つめながら、ベッドの横でじっと座っているのです。時計を見ると6時半。休日なのにモカは時間を心得ているかのように、毎朝同じ時間に私を起こしにきます。
「はいはい、朝のお散歩に行きましょうね」と声をかけると、モカは嬉しそうに尻尾を振り始めました。主人はまだ寝ていますが、5歳の娘はすでに目を覚まして、モカと一緒にお散歩に行くと言って着替えを始めています。
多くの人は、ハスキー犬というと「活発すぎて大変そう」「しつけが難しい」というイメージを持っているかもしれません。確かにハスキーは活発で行動力のある犬種です。でも、私たち家族が3年前にモカを迎えてから実感したのは、その穏やかさと愛情深さでした。
モカを飼い始めた当初、私たちも心配がありました。特に小さな子供がいる家庭でハスキーを飼うことに、周りからは「大丈夫なの?」という声もありました。しかし、モカは娘と出会った瞬間から、驚くほど優しく接してくれたのです。
朝のお散歩では、モカは娘のペースに合わせて歩きます。時には立ち止まって花を見たり、カタツムリを観察したりする娘。そんな時もモカは待っていてくれます。確かに走ることが大好きな犬種ですが、家族と一緒にいる時は、不思議と穏やかな表情を見せてくれるのです。
帰宅後の食事の時間。モカの食事マナーの良さには感心します。私たちが「待って」と言うと、お椀の前でじっと待ち、「どうぞ」の合図があるまで食べ始めません。これも、根気強く愛情を持って接してきた結果だと思います。
日中、私が在宅ワークをしている時も、モカは私の足元で静かに昼寝をしています。時々顔を上げて私の様子を確認し、目が合うとしっぽを振って微笑んでくれます。そんな何気ない瞬間が、かけがえのない癒しとなっています。
夕方になると、主人が帰宅するのを心待ちにしているモカ。玄関の鍵の音を聞くと、真っ先に飛んでいって出迎えます。主人の帰宅は、モカにとって一日の大きなイベントの一つなのでしょう。家族全員に平等に愛情を注いでくれる姿に、私たちはいつも心を温められています。
休日には家族でドッグランに出かけることもあります。広い空間で思い切り走り回るモカの姿は、まさに自然の中で生きる野生の犬を思わせます。でも、私たちを見失うことはありません。時々距離を確認するように振り返り、あまり遠くには行かないのです。
確かにハスキーは、定期的な運動が必要な活発な犬種です。でも、それは決して負担ではありません。むしろ、家族で外出する機会が増え、健康的な生活リズムが築けたと感じています。雨の日でも、モカとの散歩は欠かせない日課となっています。
夜になると、リビングでくつろぐ家族の輪の中に、自然とモカも加わります。テレビを見ながらソファでくつろぐ私たちの間で、モカは幸せそうに寝そべります。時には娘のぬいぐるみを枕にして眠ることもあり、その姿があまりにも愛らしく、思わず写真を撮ってしまいます。
就寝前、娘の寝室に行くと、必ずモカもついてきます。娘が眠りにつくまで、ベッドの横で見守るように座っているのです。まるで妹や弟を見守る優しい兄のような、そんな存在感があります。
モカを迎えて3年。私たちの生活は確実に変わりました。朝型の生活になり、外出が増え、何より家族の絆が深まったように感じます。ハスキーは確かに活発で、時には手がかかる犬種かもしれません。でも、その分だけ家族に注ぐ愛情も大きく、かけがえのない存在となってくれるのです。
最近では、近所の方々からも「モカちゃん、とても良い子ね」と声をかけていただくことが増えました。散歩中に出会う子供たちも、モカの大きな体格を怖がることなく、むしろ興味津々で近づいてきます。モカも優しく接してくれるので、地域の人気者になっているようです。
これからハスキーを迎えようと考えている方へ。確かに責任は伴いますが、その分だけ豊かな愛情と喜びを与えてくれる存在だということを、ぜひ知っていただきたいと思います。適度な運動と愛情深い接し方があれば、ハスキーは穏やかで素晴らしい家族の一員となってくれるはずです。
夜が更けて、家族が眠りについた後も、モカは家を見守ってくれています。時々聞こえる寝息と、月明かりに照らされた青い瞳。私たちの生活に、かけがえのない色を添えてくれているモカに、心から感謝しています。
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