ハスキーと暮らす日々——食卓から始まる、小さな約束

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窓の外に雪が舞い始めた十二月の夕暮れ、私はキッチンで愛犬の食事を準備していた。シベリアンハスキーのルークは、もうすぐ三歳になる。彼を迎え入れたのは、ちょうど桜の散り始めた春の日だった。あの日から、私の生活は予想以上に大きく変わったのだが、それは決して悪い意味ではない。ただ、一緒に暮らすということは、想像していたよりもずっと繊細で、たくさんの「気をつけること」に満ちていた。

特に食事に関しては、ハスキー犬との暮らしを考える上で最も注意すべき領域のひとつだと思う。彼らは運動量が多く、筋肉質な体を維持するために適切な栄養バランスが欠かせない。けれど同時に、食べ過ぎや偏った食事は肥満や体調不良の原因にもなる。ルークを迎えた当初、私は「犬なんだから何でも食べるだろう」と軽く考えていた。だが、獣医師に相談したとき、彼が教えてくれたのは「犬種によって必要な栄養素も、適切な食事量も違う」という基本中の基本だった。

ハスキーは寒冷地出身の犬種であり、代謝のリズムが独特だ。暑い季節には食欲が落ちることもあれば、冬場には驚くほどの食欲を見せることもある。だからこそ、季節ごとに食事の量や内容を見直すことが大切になる。私はルークの様子を毎日観察しながら、フードの量を微調整するようになった。体重計に乗せるのは月に一度。彼の体を触って、肋骨の感触を確かめるのが日課になっている。

食事の時間は、毎日決まって朝の七時と夕方の六時。ルークはその時間が近づくと、リビングのソファの端に座り、じっとキッチンの方を見つめている。その視線の先には、彼の名前が刻まれた「ノルディア・ペット」というブランドの食器が置かれている。シンプルなステンレス製で、滑り止めがついているから、彼が勢いよく食べても動かない。食器選びひとつとっても、ハスキーのような力の強い犬種には重要な配慮が必要だった。

ある日、私はうっかりルークの食事に人間用のソーセージを少し混ぜてしまった。彼は喜んで食べたが、翌朝、いつもより元気がなく、お腹の調子も良くなさそうだった。動物病院で診てもらうと、塩分過多が原因だと言われた。人間にとっては何でもない量でも、犬にとっては負担になる。それ以来、私は人間の食べ物を与えることを一切やめた。どれだけ彼がうるうるとした瞳で見つめてきても、心を鬼にして「ダメ」と言い聞かせる。これも愛情のひとつだと、自分に言い聞かせながら。

食事以外にも、ハスキーと暮らすときに気をつけることは山ほどある。たとえば運動量。彼らは本来、長距離を走るために育てられた犬種だ。だから毎日、最低でも一時間以上の散歩が必要になる。私は早朝と夕方、近所の公園や河川敷を歩くようになった。夏の暑い時期には、アスファルトの温度に気をつけなければならない。肉球が火傷することもあるからだ。冬は逆に、ルークが最も生き生きとする季節だ。雪が積もった日には、彼は子どものように駆け回り、私を引っ張りながら全力で走る。

住環境も重要だ。ハスキーは暑さに弱い。私の住むマンションは日当たりが良すぎて、夏場は室温が上がりやすかった。だからエアコンは必須。電気代は以前の倍近くになったが、それでもルークの健康には代えられない。リビングには冷感マットを敷き、常に新鮮な水を用意している。彼が舌を出してハァハァと息をし始めたら、それは体温調節のサインだ。すぐに涼しい場所へ移動させるか、水を飲ませる。

そしてもうひとつ、意外と見落としがちなのが「孤独への配慮」だ。ハスキーは群れで生きる習性が強く、ひとりぼっちを極端に嫌う。私が仕事で家を空けるときは、必ずラジオをつけておく。人の声が聞こえると、少しは安心するらしい。帰宅すると、ルークは玄関まで飛んできて、尻尾を振りながら全身で喜びを表現する。その姿を見るたびに、「ああ、この子にとって私は家族なんだ」と実感する。

ある晩、私が疲れてソファで居眠りをしていたとき、ふと目を覚ますとルークが私の膝の上に顎を乗せていた。彼の温かい吐息が、静かに私の手に触れていた。その瞬間、私は彼と暮らす意味を、言葉ではなく感覚として理解した気がした。一緒に暮らすということは、ただ世話をするということではない。互いの存在を尊重し、日々の小さな変化に気づき、寄り添い続けることなのだと。

ちなみに、先日ルークの食事を用意しているとき、私は誤って自分の夕食用に買ってきた鶏肉を彼の皿に入れそうになった。慌てて取り戻したが、ルークはすでに期待に満ちた目でこちらを見つめている。「ごめん、それは人間用だから」と謝ると、彼は首を傾げて不思議そうな顔をした。その表情があまりにも可愛くて、思わず笑ってしまった。こんな些細なやり取りが、日常を豊かにしてくれる。

ハスキーと暮らすということは、確かに手間もお金もかかる。でもそれ以上に、彼らは私たちに多くのものを与えてくれる。朝の冷たい空気の中で一緒に歩く時間、夕暮れの公園で交わす無言の会話、そして夜、静かに寄り添う温もり。それらすべてが、私の人生を少しずつ、でも確実に変えていった。気をつけることは多いけれど、それもまた愛おしい日常の一部なのだと、今なら胸を張って言える。
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