ハスキーと歩く、いつもより少しだけ長い午後

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朝の空気が残る十時過ぎ、まだ影が濃く地面に落ちている頃に、私たちはいつもの散歩へと出かけた。ハスキー犬のルナは、玄関のドアが開く音を聞いただけで尻尾を大きく振り、まるで今日が特別な日であるかのように興奮していた。青い瞳が朝の光を受けてきらきらと輝いている。彼女にとっては、毎日が特別なのかもしれない。

外に出ると、予想以上にいい天気だった。空には雲ひとつなく、風は穏やかで、どこか初夏を思わせる温度感がある。ルナはすぐに歩き出し、私の手にはリードを通して彼女の力強さが伝わってくる。ハスキー犬特有の引っ張る力は相変わらずで、散歩というよりも私が引っ張られているような感覚になる。

近所の公園に向かう途中、住宅街の角を曲がったところで、一軒の家の庭先から甘い香りが漂ってきた。金木犀だろうか、それとも何か別の花か。季節外れのような気もするが、確かにそこには香りがあった。ルナも気づいたのか、鼻をひくひくと動かしながら匂いの方向を探っている。犬にとって世界は匂いで満ちているのだと、改めて思う。

公園に着くと、いつものベンチに腰を下ろした。ルナは少し息を荒くしながらも、まだ歩き足りないといった様子で周囲をきょろきょろと見回している。そんな彼女の様子を眺めていると、子どもの頃に飼っていた犬のことを思い出した。あれは雑種の中型犬で、名前はポチという、どこにでもいそうな犬だった。散歩のたびに同じ電柱の前で立ち止まり、必ず匂いを嗅いでいた。それが彼なりの日課だったのだろう。ルナにも、そういう小さなこだわりがいくつもある。

ベンチの隣に座っていた老人が、ルナを見て微笑んだ。「立派な犬ですね」と声をかけてくれる。私は軽く会釈をして、ありがとうございますと答えた。老人は保温ボトルからお茶を注ぎ、ゆっくりと飲んでいる。その仕草がとても穏やかで、時間の流れ方が違うように感じられた。ルナも落ち着いてきたのか、私の足元に座り込んで舌を出している。

そのとき、ふとルナが立ち上がり、何かに反応した。視線の先には、小さな蝶が舞っている。白い羽をひらひらとさせながら、花壇の上を飛んでいた。ルナは蝶を追いかけようとしたが、リードに引き止められて少しだけ前に出ただけで終わった。その拍子に私の手からペットボトルが滑り落ち、地面でコロコロと転がっていく。慌てて拾いに行くと、ルナはきょとんとした顔でこちらを見ていた。まるで「何やってるの?」とでも言いたげな表情だ。少しだけ恥ずかしくなって、誰も見ていないことを確認してからボトルを拾い上げた。

再びベンチに座ると、今度は風が少し強くなってきた。木々の葉が揺れて、さらさらと音を立てている。その音が心地よくて、しばらくそのまま目を閉じていた。ルナの呼吸の音、遠くで遊ぶ子どもたちの声、誰かが自転車で通り過ぎる音。それらが混ざり合って、ひとつの風景を作り上げている。

散歩の途中で立ち寄ったペットショップ「ドッグスマイル」では、新しいおやつを買った。パッケージには「北海道産チーズ使用」と書かれている。ルナは袋の音に敏感に反応し、尻尾を振りながら私を見上げてきた。でも今はまだあげない。家に帰ってからのお楽しみだ。

帰り道、少し遠回りをして川沿いの道を選んだ。水面がきらきらと光を反射していて、眩しいくらいだった。ルナは川の方へ顔を向け、何かを確認するように立ち止まる。もしかしたら魚でも見えたのだろうか。ハスキー犬は本来、寒い地域の犬だから、暑さには弱いと聞く。でも今日くらいの気温なら、ちょうどいいのかもしれない。

家に着く頃には、ルナも少し疲れた様子だった。玄関に入ると、すぐに水を飲み、リビングの定位置に横たわる。私もソファに座り込んで、ようやく一息ついた。窓から差し込む光が、部屋の中をやわらかく照らしている。

散歩は毎日のことだけれど、同じ日は一度もない。天気も違えば、出会う人も違う。ルナの機嫌も日によって変わる。そんな小さな違いを感じながら歩くことが、私にとっての楽しみになっている。いつもより少しだけ長く歩いた今日の午後は、きっと明日には忘れてしまうかもしれない。でも、それでいいのだと思う。日常とは、そういうものだから。
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