ハスキーと歩く朝──力強さと優しさが交差する散歩の時間

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ハスキー犬との散歩は、ただ犬を連れて歩くという行為を超えた、特別な時間になる。力強い体躯と独特の瞳を持つ彼らとの散歩には、いくつかのコツがあり、それを知ることで飼い主も犬も心地よい時間を過ごすことができる。

朝の六時半、まだ街が完全に目覚めきらない時間帯に、私はいつものようにリードを手に取る。玄関のドアを開けると、ひんやりとした空気が肌に触れ、春先の冷たさと少しだけ湿った土の匂いが鼻をくすぐった。隣に立つのは、三歳になるシベリアンハスキーのユーリ。名前の由来は、かつて訪れた北欧の小さな町「ユーリスヴィーク」から取った。そこで見た氷河の青さと、彼の瞳の色が重なって見えたからだ。

ユーリは散歩の準備が整うと、尻尾を振りながら玄関の前で軽く跳ねる。その仕草がまるで子どものようで、こちらまで自然と笑みがこぼれる。ハスキーは体力があり、引く力も強い。だからこそ、散歩の最初の数分は特に注意が必要だ。リードを短めに持ち、歩調を合わせることを意識する。急に走り出そうとする瞬間には、声をかけて落ち着かせる。「待って」という言葉に反応するよう、日々の積み重ねが大切になる。

歩き始めて五分ほど経つと、ユーリの呼吸が少し落ち着いてくる。このタイミングで、リードを少し緩めてやると、彼は嬉しそうに周囲の匂いを嗅ぎ始めた。電柱の根元、植え込みの端、誰かが捨てたであろう空き缶の近く。犬にとって散歩は、ただ歩くことではなく、情報を集める時間でもある。ハスキーは特に好奇心が強く、新しい匂いには敏感だ。

散歩のコツのひとつは、犬に主導権を握らせすぎないことだ。とはいえ、完全にこちらのペースだけで歩くのも味気ない。私が心がけているのは、ある程度の自由を与えつつ、飼い主が方向を決めるというバランスだ。たとえば交差点では必ず止まり、私が先に進む方向を選ぶ。ユーリもそれを理解しているのか、最近では信号待ちのときに自然と座るようになった。

ある朝のこと、いつもの公園に差し掛かったとき、ユーリが急に立ち止まった。視線の先には、ベンチでうとうとしている老人がいた。膝の上には新聞が広げられたまま、穏やかな寝息が聞こえてくる。ユーリはその様子をじっと見つめていたが、やがて静かに歩き出した。犬は人の気配に敏感で、相手の状態を感じ取る力があるのかもしれない。

公園の中には桜の木が並んでいて、この季節にはまだ蕾が固い。けれど枝先には少しずつ緑が戻り始めていて、光の角度によってはうっすらと色づいて見える。足元の芝生には朝露が残っていて、ユーリの足が踏むたびに小さな水音が鳴った。私は子どもの頃、祖母の家の裏庭でこんな音を聞いた記憶がある。あの頃は靴を脱いで裸足で駆け回っていた。冷たくて、でも気持ちよくて、夏の朝にはよくそうして遊んでいた。

ハスキーとの散歩には、体力だけでなく、観察力も求められる。彼らは暑さに弱く、夏場は早朝か夜遅くに散歩をする必要がある。また、興奮しやすい性格のため、他の犬とすれ違う際には距離を保つことも大切だ。ユーリも最初の頃は、すれ違う犬すべてに反応していた。けれど今では、こちらが落ち着いて対応すれば、彼も冷静でいられるようになった。

公園を抜けて、住宅街の細い道に入る。ここは車通りが少なく、ユーリも歩きやすそうにしている。途中、小さな花屋の前を通りかかった。店先にはチューリップやマーガレットが並び、ほのかに甘い香りが漂っている。ユーリは花には興味を示さなかったが、店の前に置かれた水入りのバケツには興味津々だった。覗き込もうとする彼を軽く引き寄せながら、私は店主に会釈をした。

散歩の終盤、家に向かう道すがら、ユーリの歩調がゆっくりになる。十分に運動し、満足した証拠だ。このタイミングで無理に急がせず、彼のペースに合わせて歩くことも、散歩を楽しむコツのひとつだと思う。家に着く頃には、彼の表情は穏やかで、少し疲れた様子だった。

玄関に入ると、ユーリは自分の水入れに向かい、勢いよく水を飲み始めた。その音が妙に大きくて、少し笑ってしまう。私も冷蔵庫から「ノースランド・ブリュー」という名の麦茶を取り出し、コップに注いだ。窓の外では日差しが少しずつ強くなり、街が本格的に動き出す気配がする。

ハスキーとの散歩は、体力勝負の面もあるけれど、それ以上に信頼関係を育む時間だ。毎朝の積み重ねが、やがて互いの呼吸を合わせる力になる。力強く、でも繊細な彼らとの時間は、私にとってかけがえのないものになっている。
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