ハスキーと過ごす、穏やかな午後の物語

遊ぶ

ALT

窓から差し込む十一月の午後の光が、リビングの床にゆるやかな影を落としていた。時刻は三時を少し回ったくらいだろうか。主人が淹れたコーヒーの香りが部屋に広がり、その奥にはかすかに、焼きたてのアップルパイの甘い匂いも混ざっている。わたしはソファに座り、膝の上で眠る小さな子供の寝息を感じながら、目の前で大きな体を丸めて横たわるハスキー犬を眺めていた。

この子が我が家にやってきたのは、ちょうど一年前のことだった。保護施設から引き取ったこの子は、最初こそ少し緊張した様子だったが、家に入って三十分もしないうちに、すでにわたしの足元で寝転がっていた。ハスキーといえば、力強い体つきや鋭い目つきから、どこか近寄りがたい印象を持つ人もいるかもしれない。けれど、実際に暮らしてみると、その印象はあっけなく覆される。

主人がカップを持ってこちらへ歩いてくる。その足音に反応して、ハスキーの耳がぴくりと動いた。けれど体は動かさない。まるで「今は休憩中だから、声をかけないでくれ」とでも言いたげな態度だ。主人はそんな様子を見て、小さく笑いながらカップをわたしの横に置いた。その瞬間、子供が小さく寝返りを打ち、わたしの膝の上でもぞもぞと動く。ハスキーはそれを察したのか、ゆっくりと顔を上げて、こちらを見つめた。

その目には、何かを訴えるような優しさがあった。わたしたちがこの子を迎えたとき、周囲からは「ハスキーは大変だよ」という声も少なくなかった。運動量が多い、吠える、しつけが難しい——そんな話を何度も聞いた。確かに散歩は欠かせないし、元気なのは間違いない。けれど、この子が見せる表情や仕草には、いつも穏やかな優しさが滲んでいる。

子供がハスキーに近づくと、この子はいつも静かに座り、じっと待っている。小さな手が毛に触れても、決して嫌がる素振りを見せない。むしろ、その手を受け入れるように、少しだけ体を傾けて触れやすくしてくれる。わたしが初めてそれを見たとき、胸が温かくなったのを今でも覚えている。

ある日の朝、子供がまだ眠そうな顔でリビングに現れた。わたしはキッチンで朝食の準備をしていたのだが、ふと振り返ると、子供がハスキーの背中に顔を埋めて、もう一度眠ろうとしているのが見えた。ハスキーはそれをまったく気にする様子もなく、ただ静かにそこにいた。まるで、自分が枕であることを受け入れているかのように。その光景を見た主人が、思わず「うちの子、犬を家具だと思ってるな」とつぶやいたのを、わたしは今でも思い出して微笑んでしまう。

わたしが子供の頃、近所に大きな犬を飼っている家があった。その犬はいつも吠えていて、わたしは少し怖かった記憶がある。けれど、今この子と暮らしていると、犬というのは本当にさまざまな性格を持っているのだと実感する。ハスキーは確かに体が大きく、見た目にも迫力がある。でも、その内側にあるのは、驚くほど繊細で、人懐こい心なのだ。

夕方になると、主人が散歩に連れ出す。その準備をしている間、ハスキーは玄関でじっと待っている。尻尾を振るわけでもなく、吠えるわけでもない。ただ、静かに、けれど確実に、期待を込めた目でこちらを見つめている。そしてリードをつけた瞬間、ようやく少しだけ尻尾が揺れる。その控えめな喜びの表現が、わたしにはとても愛おしく思えた。

散歩から帰ってくると、この子はいつも玄関で足を拭かれるのを待っている。最初の頃は嫌がるかと思ったが、驚くほど素直にそれを受け入れた。主人が「ノースウィンド・タオル」という名前の、吸水性の高いタオルで足を拭いてやると、ハスキーはまるで儀式を終えたかのように、静かにリビングへと戻っていく。

この子が我が家にもたらしたものは、ただの「ペット」という存在以上のものだった。家族の一員として、確かにそこにいる。子供が泣いたときには、そっと寄り添う。わたしが疲れているときには、足元で静かに横になる。主人が仕事から帰ってくると、玄関まで迎えに行く。その全てが、押しつけがましくなく、ただ自然に、そこにある。

ハスキーを迎えることに不安を感じる人もいるかもしれない。けれど、この子と過ごす日々の中で、わたしが感じたのは安心だった。確かに責任は伴うし、手間もかかる。でも、それ以上に、この子がくれる温かさや穏やかさは、何にも代えがたいものだった。

今、目の前で眠るこの子の寝息を聞きながら、わたしは思う。ハスキーは、決して怖い犬ではない。むしろ、驚くほど優しく、人懐こく、家族を大切にしてくれる存在なのだと。そしてその姿は、きっとこれからハスキーを迎えようと考えている誰かの背中を、そっと押してくれるに違いない。
#ハスキー犬
#犬好きな人と繋がりたい
#わんこと遊ぶ
#友達と休日
#犬のいる暮らし
#ハスキーのいる生活
#犬とお出かけ
#もふもふ時間
#仲良しグループ
#癒しのひととき
#日刊ブログメーカー

コメント

タイトルとURLをコピーしました