
うちのハスキーは朝6時に吠える。
休日の朝、まだ薄暗い時間帯に聞こえてくるのは、あの独特の遠吠えみたいな鳴き声だ。最初の頃は「これ、近所迷惑じゃないか」って本気で焦った。でも実際に苦情が来たことは一度もなくて、むしろ向かいの奥さんに「元気な声ねえ」って笑顔で言われて拍子抜けした記憶がある。ハスキーを飼う前、正直なところ「気難しいんじゃないか」とか「しつけが大変そう」とか、そんな不安ばかりが頭をよぎっていた。ネットで調べると「運動量が必要」「頑固な性格」みたいな情報ばかり出てくるし、ペットショップの店員さんも「初心者には少しハードル高いかもしれませんね」なんて言うものだから、迎え入れる直前まで迷っていたくらいだ。
3歳の娘が最初にこの犬を見たとき、泣いた。
大きすぎたんだと思う。ブリーダーさんの家で初対面したとき、娘はわたしの足にしがみついて離れなかった。それなのに主人は「大丈夫だよ、優しい子だから」って娘の手を引いて近づけようとして、娘はますます泣いて。正直あのときは「やっぱり無理かな」って諦めかけた。ところがハスキーのほうから娘に近づいてきて、そっと鼻先を娘の手のひらに押し付けたんだ。濡れた鼻の感触に娘はびっくりして泣き止んで、そのまま数秒見つめ合って。それから娘は「わんわん」ってつぶやいて、犬の頭をぽんぽん叩いた。叩くというより触れる程度の力加減だったけど、ハスキーは尻尾を振って喜んでいた。
この犬、名前を「ノエル」っていうんだけど、正直センスあるとは思ってない。
主人が勝手に決めた名前で、「冬生まれだから」っていう安直な理由だ。わたしは「アーロン」とか「カイ」とか、もっとかっこいい名前を提案したんだけど、娘が「ノエルがいい」って主人の味方をしたから多数決で負けた。まあいい。呼びやすいし、今となっては他の名前は考えられない。ノエルは家に来てから3ヶ月くらい、とにかく人の後をついて回った。わたしがキッチンに立てばキッチンに来るし、洗濯物を干しに庭に出れば庭に来る。トイレのドアの前で待っていることもあった。最初は「距離感がおかしい犬だな」って思ったけど、それがハスキーの人懐っこさなんだと気づくまでに時間はかからなかった。
去年の夏、ノエルが熱中症になりかけたことがある。
あれは8月の昼過ぎで、わたしがうっかり庭に出しっぱなしにしてしまったんだ。30分くらいだったと思うけど、気づいたときにはノエルがぐったりしていて、舌を出してハアハア息をしていた。慌てて水をかけて、濡れタオルで体を冷やして、動物病院に電話した。幸い大事には至らなかったけど、あのときの罪悪感は今でも忘れられない。それ以来、夏場の散歩は早朝か夜だけにしているし、エアコンもつけっぱなしにしている。電気代は跳ね上がったけど、仕方ない。
娘はノエルと一緒に昼寝をする。
リビングのラグの上で、娘がノエルのお腹に頭を乗せて寝ている光景を見ると、「ああ、飼ってよかったな」って心から思う。ノエルは娘が近づくと必ず伏せの姿勢になって、娘が触りやすいように体勢を整える。たまに娘がノエルの耳を引っ張ったり、尻尾を掴んだりすることがあるけど、ノエルは一度も怒ったことがない。むしろ「どうぞどうぞ」みたいな顔をしている。この穏やかさは、正直想像以上だった。
主人は週末になるとノエルを連れて近所の公園に行く。そこで他の犬と遊ばせるのが日課になっていて、最近は「ハスキー仲間」みたいなグループもできたらしい。主人が言うには、ハスキーを飼っている人は大体同じような悩みを抱えているらしく、「毛がすごい」「遠吠えする」「散歩が長い」みたいな話で盛り上がるんだとか。わたしは一度だけそのグループに顔を出したことがあるけど、みんな妙にテンションが高くて、ちょっと引いた。
ノエルが家にいると、家の中に独特のリズムが生まれる。朝の散歩、昼のブラッシング、夕方のおやつ、夜の散歩。このルーティンがないと、なんだか一日が締まらない気がする。以前は休日に何をするでもなくダラダラ過ごしていたけど、今は「ノエルの散歩」っていう予定が必ず入っているから、生活にメリハリがついた。これは思わぬ副産物だった。
ハスキーを飼うことに不安を感じている人がいたら、わたしは「案外なんとかなるよ」って言いたい。確かに大変なこともある。抜け毛はすごいし、散歩の時間も長い。でも、それ以上に得られるものがある。ノエルは家族の一員として、ちゃんとここにいる。
飼う前に思い描いていた「理想の犬との生活」とは少し違うかもしれないけど、今のこの生活は悪くない。むしろ、これでよかったんだと思う。
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