ハスキー犬が家に来てから、穏やかってこういうことかと思った話

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ハスキー犬を飼い始めて3年目の冬、ようやく気づいたことがある。

穏やかさって、静けさとは違うんだよね。むしろ逆かもしれない。うちのハスキー、名前はルナっていうんだけど、とにかくよく喋る。ハスキー特有のあの「アウォーン」って鳴き声。朝6時には必ず私の顔の真横で遠吠えして起こしてくれるし、散歩に行きたいときは玄関の前で延々と歌ってる。静かな犬ではない、絶対に。

最初の頃は正直、こんなはずじゃなかったって思った。ペットショップの店員さんは「ハスキーは穏やかな性格ですよ」って言ってたのに。でも穏やかって、大人しいって意味じゃなかったんだ。

ルナが来る前の我が家は、いわゆる「仲良し家族」ではなかった。父親は仕事で遅く、母親はパートと家事で疲れてて、私は自分の部屋にこもってスマホばっかり見てた。夕飯も各自好きな時間に食べる感じ。会話なんて「醤油取って」くらい。別に喧嘩してるわけじゃないけど、なんていうか、同じ家に住んでる他人みたいな距離感だったと思う。

そこにルナが来た。生後4ヶ月の、まだ耳が完全に立ってないふわふわの子犬。

ハスキーって、放っておけない犬なんだよ。散歩は1日2回必須だし、夏場はエアコンつけっぱなしにしないと熱中症になるし、ご飯の時間も厳密に守らないとすごい勢いで要求してくる。つまり、家族の誰かが世話をしなきゃいけない。最初は当番制にしようとしたんだけど、結局みんなが関わることになった。

父親が朝の散歩を担当するようになって、早起きするようになった。母親は犬用のご飯を作るのにハマって、「人間のより手が込んでる」って自分でツッコミ入れながら楽しそうに料理してる。私は夜の散歩担当。最初は面倒だったけど、今は唯一スマホを見ない時間になってる。

そういえば去年の夏、ルナを連れて家族で初めて旅行に行った。犬連れOKのコテージみたいなところ。「ドッグリゾート軽井沢」とかいう、ちょっとオシャレぶった名前の施設。ルナは車の中でずっと興奮して鳴いてて、到着する頃には家族全員耳がおかしくなってたけど、あれはあれで笑えた。夜、コテージのウッドデッキでバーベキューしてたら、ルナが焼きそばを盗み食いして、父親が「お前も家族だもんな」って笑ってた。母親は「衛生的にどうなの」って言いながらも笑ってた。私も笑ってた。

そんな風に、ルナを中心に家族が動くようになった。

穏やかさって、たぶんこういうことなんだと思う。誰かが怒鳴るわけでもなく、誰かが我慢してるわけでもなく、ただ自然に同じ方向を向いてる感じ。ルナの散歩の時間になったら誰かが立ち上がるし、ルナが体調悪そうにしてたら家族全員がリビングに集まって心配する。そういう、特別じゃない瞬間の積み重ね。

ルナは相変わらずうるさい。朝は遠吠えで起こされるし、散歩中は他の犬に会うたびに大騒ぎする。家の中を走り回って、ソファのクッションを破壊したこともある。静かな犬を期待してた人には申し訳ないけど、ハスキーってそういう生き物だから。

でも不思議なことに、ルナがいる生活は穏やかなんだよ。騒がしいのに、穏やか。矛盾してるようだけど、本当にそうなんだ。

冬の夕方、散歩から帰ってくると、ルナの毛にはひんやりとした外気の匂いが残ってる。リビングに入ると、母親が夕飯の支度をしてる音と、テレビを見てる父親の笑い声が聞こえる。ルナは水をガブガブ飲んで、私の足元でバタンと倒れるように横になる。

これが穏やかってやつなのかもね。完璧じゃないし、静かでもないけど。

ルナがあと何年生きるかわからないけど、今はただ、この騒がしい穏やかさが続けばいいなと思ってる。

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