ハスキー犬と歩く、春の陽だまりと小さな発見

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春の午後、太陽が傾きはじめる少し前の時間帯に、私はいつものようにハスキー犬のルナと散歩に出かけた。風が心地よく頬をなでていく。冬の名残がまだ空気のどこかに潜んでいるような、それでいて確かに春の匂いが混ざり合う、そんな微妙な季節の境目だった。ルナは玄関を出た瞬間から尻尾を振り、まるで世界中の楽しみがこの散歩のなかにあるとでも言いたげに、ぐいぐいとリードを引っ張る。

ハスキー犬特有の、あの凛とした顔立ちと、意外なほど無邪気な性格のギャップが、私はいつも好きだった。ルナの青い瞳は、光の加減によってはグレーにも見えるし、ときには透き通った水色にも見える。今日は午後の陽射しを受けて、まるで北欧の湖のように澄んでいた。

公園に続く道を歩いていると、どこからともなく金木犀に似た甘い香りが漂ってきた。正確には金木犀の季節ではないから、おそらく誰かの家の庭に咲いている沈丁花だろう。その香りに誘われるように、ルナも少し鼻をひくつかせて立ち止まった。犬にとってこの世界はどれほど豊かな匂いに満ちているのだろうと、ふと思う。私たち人間が感じ取れるものの何倍も、何十倍も、彼らは嗅ぎ分けているに違いない。

公園に着くと、ベンチに座っていた老人がルナに気づいて笑顔を向けてくれた。ハスキー犬は目立つから、散歩をしているとよく声をかけられる。「立派な犬だね」と言われて、私も少し誇らしい気持ちになる。ルナは相変わらず元気いっぱいで、芝生の上を駆け回りたくてたまらない様子だった。リードを長めに持ち替えて、少し自由にさせてやると、彼女は嬉しそうに小走りで草の匂いを嗅ぎ始めた。

子どもの頃、私は犬を飼いたいとずっと思っていた。けれど当時住んでいたマンションはペット禁止で、その夢は叶わなかった。だから今、ルナと一緒に過ごす毎日は、幼い頃の自分への贈り物のようにも感じられる。あの頃の私が見たら、きっと羨ましがるだろう。そして、ハスキー犬なんて大型犬を選んだことに驚くかもしれない。

ベンチに腰を下ろして、持ってきた水筒からルナ用の折りたたみボウルに水を注ぐ。彼女は勢いよく水を飲み始めた。その様子を眺めながら、私も自分の分の麦茶を一口飲む。ステンレス製の水筒は、朝入れた冷たさをまだ保っていた。喉を通る冷たさが心地いい。

ふと気づくと、ルナが私の靴紐をじっと見つめていた。そして次の瞬間、彼女は前足で私の足元を軽く叩いた。どうやら靴紐がほどけていることを教えてくれたらしい。いや、正確には遊んでほしいだけかもしれないが、タイミングが絶妙すぎて笑ってしまった。結んでいる最中も、ルナは興味津々に私の手元を覗き込んでいる。まるで「それ、何してるの?」と聞いているようだった。

公園の向こう側では、小さな子どもたちが遊具で遊んでいる。その声が風に乗って聞こえてくる。平和な午後の光景だ。ルナも子どもたちの方をちらりと見たが、特に興味を示す様子もなく、また自分の探索に戻った。彼女にとっては、地面に残された無数の匂いの方がよほど魅力的なのだろう。

散歩を続けながら、私はいつも同じことを考える。この時間が、どれだけ貴重なものか。仕事や日常の雑事に追われていると、つい忘れてしまいそうになるけれど、こうして外を歩き、季節の移ろいを感じ、ルナの元気な姿を見ていると、生きていることの実感が戻ってくる。

帰り道、夕暮れ時の光が住宅街の屋根を照らしていた。オレンジ色の光が、どこか懐かしい気持ちを呼び起こす。ルナは少し疲れたのか、行きほどの勢いはなく、私の横を穏やかに歩いていた。それでも時折、何かを見つけては立ち止まり、鼻をひくつかせる。彼女の好奇心は尽きることがない。

家に着く頃には、空はすっかり茜色に染まっていた。玄関の鍵を開けると、ルナは満足そうに尻尾を振りながら中に入っていく。きっと今夜はぐっすり眠るだろう。そして明日もまた、同じように元気に散歩をねだるに違いない。

私はリードをフックにかけながら、今日もいい散歩だったなと思った。特別なことは何も起きなかった。それでも、この何気ない時間こそが、かけがえのないものなのだと、ハスキー犬のルナは毎日教えてくれる。いい天気の日も、曇りの日も、彼女はいつも同じように喜んで外へ出たがる。その姿を見ていると、私もまた明日を楽しみに思えるのだ。
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