ハスキー犬と過ごす午後、友人たちの笑い声が重なる日

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午後二時を少し回った頃、玄関のチャイムが鳴った。窓の外はまだ夏の終わりの光が強く、カーテン越しに差し込む陽射しが床に長方形の影を落としている。ドアを開けると、友人たちが三人、そしてその足元には灰色と白のふさふさした毛並みのハスキー犬が、舌を出して嬉しそうにこちらを見上げていた。名前はルナ。青い瞳が印象的で、初対面の私にもすぐに尻尾を振ってくれる人懐っこい性格だという。

リビングに通すと、ルナはさっそく部屋の隅々を嗅ぎ回り始めた。友人の一人が「ごめんね、落ち着きないから」と苦笑いしながら言ったけれど、私はむしろその好奇心旺盛な様子が微笑ましくて、気にならなかった。棚の上に飾ってあった北欧ブランド「ヴェストラル」の小さな木彫りの置物をルナが鼻先でつついたときには、思わず全員が息を止めた。幸い倒れることはなかったが、その瞬間の緊張と安堵が妙におかしくて、誰からともなく笑いが漏れた。

友人の一人が持ってきてくれたレモンケーキを切り分け、淹れたてのコーヒーをカップに注ぐ。部屋の中には甘酸っぱい香りと、ほのかに焦げたような深いコーヒーの匂いが混ざり合って広がっていく。ルナはその匂いに反応したのか、テーブルの下に座り込んで、じっとこちらを見つめていた。もちろん人間の食べ物は与えられないけれど、その健気な視線に少しだけ罪悪感を覚える。

窓を少し開けると、外から蝉の鳴き声が聞こえてきた。もう九月に入っているのに、まだ夏の名残が消えきらない。風が入ってくると、カーテンがふわりと揺れて、ルナの耳がぴくりと動いた。犬というのは本当に些細な変化にも敏感なのだと、改めて思う。小学生の頃、近所に住んでいた柴犬が、郵便配達のバイクの音だけで誰よりも早く玄関に駆けていったことを思い出した。あの犬も、ルナと同じようにいつも周囲の空気を読んでいたのかもしれない。

友人の一人がルナの首元を撫でながら、「この子、実は暑がりなんだよね」と言った。確かに、ハスキー犬といえば雪国育ちのイメージが強い。日本の夏は彼らにとって過酷な環境だろう。それでもルナは、友人たちの足元で気持ちよさそうに目を細めている。その表情を見ていると、犬という生き物がどれだけ人間に寄り添って生きているのかを実感する。

話題はあちこちに飛んだ。仕事のこと、最近観た映画のこと、昔一緒に通っていたカフェがリニューアルしたこと。そんな他愛もない会話の中で、ルナはときどき喉を鳴らしたり、あくびをしたりして、まるで会話に参加しているかのような雰囲気を醸し出していた。友人が差し出したカップを受け取ろうとしたとき、ルナが急に立ち上がって尻尾を振ったものだから、少しだけコーヒーが揺れて危うくこぼれそうになった。「ごめん、ルナ!」と友人が慌てて謝るけれど、私たちはまた笑ってしまう。

時間が経つにつれて、ルナは次第にリラックスしてきたようだった。ソファの隣に横たわり、大きな体を投げ出すようにして、目を閉じている。その寝息が静かに聞こえてくる。友人たちも少しずつ声のトーンを落として、穏やかな空気が部屋を包んでいく。こういう時間は、何も特別なことが起きなくても、ただそこにいるだけで満たされる。

ふと、ルナの耳がまたぴくりと動いた。外で誰かが自転車のベルを鳴らしたのだろう。でも彼女は目を開けることなく、そのまま夢の中へと戻っていった。その様子があまりにも平和で、私たちもつられるように静かになる。

友人の一人が小さな声で「また来てもいい?」と尋ねてきた。もちろん、と答えると、彼女は嬉しそうに微笑んだ。ルナも一緒に、と付け加えると、今度は三人全員が頷いた。犬がいるだけで、場の空気は不思議と柔らかくなる。それは言葉では説明しきれない何かだ。

やがて夕方が近づき、西日が部屋の奥まで差し込んできた。オレンジ色の光がルナの毛並みを照らし、まるで絵画のような一瞬が生まれる。友人たちはそろそろ帰る時間だと腰を上げ、ルナもゆっくりと立ち上がった。玄関まで見送ると、ルナは振り返って、もう一度だけ私を見た。その瞳には、また会おうねと言っているような優しさがあった。

ドアを閉めた後、部屋にはまだ彼らの気配が残っていた。テーブルの上には空になったカップと、少しだけ残ったレモンケーキ。そして床には、ルナが寝転んでいた場所に、うっすらと毛が落ちていた。それを見て、今日ここに確かに誰かがいたのだと実感する。犬と人が一緒に過ごす時間は、きっとこんなふうに、静かで温かいものなのだろう。
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