春の柔らかな日差しが差し込む朝、いつものように私たちの家族の一員であるハスキー犬のルナが、尻尾を振りながら私の顔をペロペロと舐めて起こしてくれました。大きな体格とは裏腹に、その仕草は実に愛らしく、思わず微笑んでしまいます。
最初にルナを迎えることを決めた時は、正直不安でいっぱいでした。ハスキー犬といえば、そりを引く犬として知られる大型犬。活発で運動量が多く、しつけが難しいという噂を耳にしていたからです。主人は以前から犬を飼っていた経験があったものの、私自身は全くの初心者。4歳の息子もいる中で、大型犬との生活が本当にうまくいくのか、心配でたまりませんでした。
しかし、ブリーダーさんの所でルナと初めて出会った時、その心配は一瞬で吹き飛びました。凛とした表情の中にある優しい眼差し、人懐っこい性格。特に息子に対しては驚くほど穏やかで、まるで小さな弟や妹を見守るような態度を見せてくれたのです。
確かにハスキー犬は活発で、毎日の運動は欠かせません。でも、それは私たち家族にとってもかけがえのない時間となりました。朝晩の散歩は、家族の大切なルーティンに。週末には近くの広場で思い切り走り回り、時には息子とルナが追いかけっこをして遊びます。運動後のルナは、まるで満足げな表情を浮かべながら、リビングの床でぐっすりと眠ります。
ハスキー犬の特徴として、よく「わがまま」や「頑固」という言葉を耳にします。確かにルナにも芯の強さはありますが、それ以上に家族思いで賢い面が際立っています。息子が具合悪そうな時は、そっと寄り添って見守ってくれたり、私が落ち込んでいる時は、顔を覗き込むようにして励ましてくれたり。時には主人の仕事帰りを玄関で待ち続けることもあります。
しつけに関しても、根気強く愛情を持って接することで、想像以上にスムーズに進みました。基本的な命令はもちろん、家の中でのルールも理解してくれています。もちろん、時々イタズラをすることもありますが、それも含めて愛おしく感じられる存在です。
毛の手入れは確かに大変です。特に換毛期には、まるで雪が降ったかのように抜け毛が舞い、掃除機との戦いの日々が続きます。でも、ブラッシング中のルナの幸せそうな表情を見ていると、それも楽しい時間に変わります。息子も「ルナの美容師さん」として、小さなブラシを持って手伝ってくれます。
食事の時間も、家族の大切なひとときです。ルナは自分の食事の前に、必ず私たちが食べ終わるのを待ちます。その姿は実に行儀がよく、来客の方からもよく褒められます。食後は必ずといっていいほど、息子の横でくつろぐのが日課となっています。
冬になると、ルナの本領発揮です。雪の中での散歩が何よりも楽しそうで、時には私たちが引っ張られるほどの勢いで走り回ります。その姿は、まさに北国の犬の血を感じさせます。雪遊びの後は、息子とルナが一緒になって暖炉の前で温まる光景が見られます。
ハスキー犬との暮らしで特筆すべきは、その表情の豊かさです。嬉しい時、寂しい時、甘えたい時、それぞれの感情をはっきりと表現してくれます。特に家族と触れ合う時の幸せそうな表情は、見ているこちらまで心が温かくなります。
時には、近所の方々から「ハスキーは難しい犬種じゃないですか?」と聞かれることもあります。確かに、責任を持って育てる必要はあります。でも、愛情を持って接すれば、こんなに素晴らしい家族になってくれる存在はないと、私は胸を張って答えられます。
ルナが我が家にやってきて3年。今では、ルナのいない生活は想像できないほど、かけがえのない家族の一員となっています。朝の目覚めから夜の就寝まで、常に私たちと共にいて、喜びも悲しみも分かち合ってくれる存在。大きな体で私たちを守ってくれる頼もしさと、時には甘えん坊な愛らしさを見せてくれる、そんなルナとの暮らしは、毎日が新しい発見と幸せに満ちています。
これからハスキー犬との暮らしを考えている方へ。確かに責任は伴いますが、その分だけ何倍もの愛情と幸せを返してくれる、素晴らしい犬種だということをお伝えしたいと思います。私たち家族がルナと出会えたように、あなたも素敵なハスキー犬との出会いがありますように。
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