週末の朝、いつもより少し早く目が覚めた。今日は特別な日だ。友人たちがハスキー犬のルナを連れて遊びに来る約束をしていたからだ。窓の外を見ると、雲ひとつない青空が広がっている。こんな日は外で思いきり遊ぶのに最適だろう。リビングを片付け、庭のテーブルと椅子を拭き、冷蔵庫には飲み物をたっぷり用意した。準備万端で友人たちの到着を待つ間、胸が高鳴るのを感じていた。
午前十時過ぎ、玄関のチャイムが鳴った。ドアを開けると、そこには笑顔の友人たちと、真っ白な毛並みが美しいハスキー犬のルナがいた。ルナは尻尾を大きく振りながら、まるで私のことを覚えているかのように飛びついてきた。その瞳はオッドアイで、片方は青く、もう片方は茶色。見つめられるたびに、何か神秘的なものを感じずにはいられない。友人たちは手土産のケーキを持ってきてくれて、早速リビングに通した。ルナは部屋の中を興味深そうに嗅ぎ回り、まるで探検家のように振る舞っていた。
しばらくお茶を飲みながら近況を話していると、ルナが窓の外を見つめて小さく吠えた。どうやら外で遊びたいらしい。友人の一人が「そろそろ庭に出ようか」と提案し、私たちは揃って外へ出た。庭に出た瞬間、ルナは解放されたように駆け出した。ハスキー犬特有の力強い走りで、芝生の上を縦横無尽に走り回る姿は、まるで野生の狼のようだった。友人たちは笑いながらルナを追いかけ、私もその輪に加わった。久しぶりに童心に返ったような気分で、時間を忘れて一緒に遊んだ。
ルナはボール遊びが大好きで、投げたボールを何度でも追いかけてくる。しかし、ハスキー犬らしく、時々自分のルールで遊び始めることもある。ボールを咥えて戻ってきたと思ったら、そのまま離さずに私たちを見つめ、まるで「追いかけてごらん」と挑発しているかのようだ。友人たちと目を合わせて笑い合い、今度は私たちがルナを追いかける番になった。庭中を駆け回り、汗をかきながらも笑顔が絶えない時間が流れていった。
昼過ぎになると、さすがにルナも疲れたのか、木陰で休み始めた。私たちもテーブルに戻り、持ってきてもらったケーキを切り分けた。ルナは私たちの足元で気持ちよさそうに寝そべり、時折尻尾を揺らしている。友人の一人が「ルナ、本当に人懐っこいよね」と言った。確かに、ハスキー犬は一般的に社交的で人間が大好きな犬種だと聞く。ルナもその例に漏れず、初対面の人にも警戒心を見せることなく、すぐに打ち解ける性格だった。
ケーキを食べながら、友人たちとルナとの出会いについて聞いた。ルナは保護犬だったそうだ。友人夫婦が動物保護施設を訪れた際、檻の中から真っすぐに彼らを見つめていたルナに運命を感じたという。引き取った当初は少し怯えた様子もあったが、愛情を注ぎ続けることで、今では家族の一員として欠かせない存在になったと話してくれた。その話を聞いて、改めてルナの穏やかな表情を見ると、幸せそうに見えた。
午後になると、近所の公園まで散歩に行くことにした。ルナはリードをつけられると、また尻尾を振って喜んだ。公園への道のりは緑豊かで、季節の花々が咲き誇っていた。ルナは時々立ち止まって花の匂いを嗅いだり、通りすがりの人に挨拶したりしながら、ゆっくりと歩いた。公園に着くと、他にも犬を連れた人たちがいて、ルナはすぐに他の犬たちと仲良くなった。ハスキー犬は群れで生活する習性があるため、他の犬との交流が得意なのだろう。
公園のベンチに座って友人たちと話していると、子どもたちがルナに興味を示してやってきた。「触ってもいいですか?」と丁寧に聞いてくる子どもたちに、友人は笑顔で頷いた。ルナは子どもたちに囲まれても落ち着いていて、優しく撫でられるままになっていた。その光景を見ていると、心が温かくなった。動物と人間の触れ合いには、言葉を超えた何かがあるのだと感じた瞬間だった。
夕方近くになって家に戻ると、ルナはすっかり疲れた様子でソファに横たわった。友人たちと一緒に遊んだ一日を振り返りながら、夕食の準備を始めた。簡単なバーベキューをすることにして、庭で火を起こした。肉が焼ける香ばしい匂いに、ルナも少し顔を上げたが、すぐにまた眠りに落ちた。
夕食を食べながら、友人の一人が「また次も一緒に遊ぼうね」と言った。私も心からそう思った。ハスキー犬のルナと過ごした時間は、日常の喧騒を忘れさせてくれる特別なものだった。友人たちと一緒に遊ぶことで、改めて人との繋がりの大切さも感じることができた。日が暮れる頃、友人たちは帰り支度を始めた。ルナも名残惜しそうに私を見つめていた。玄関で見送る時、ルナは最後にもう一度私の手を舐めてくれた。その温かい感触が、今日一日の思い出を心に刻んでくれた。
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