ハスキーと暮らす日々──食卓を囲むときの小さな約束

育てる

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初めてハスキー犬を迎えた朝、私はまだ何も知らなかった。彼らがどれほど大きく育つのか、どれほど多くの運動を必要とするのか、そしてどれほど食に対して貪欲であるかを。窓から差し込む五月の柔らかな光が、フローリングに長い影を落としていた。その影の中で、生後三ヶ月の子犬はすでに私の手のひらより大きな足をしていた。

ハスキーと暮らすうえで最も気をつけなければならないことのひとつが、食事の管理である。彼らは驚くほど食欲旺盛で、しかも体格に見合わない量を欲しがることがある。私の家にやってきたルナという名のハスキーは、最初の一週間で台所のゴミ箱を三度も漁った。蓋つきのものに変えても、彼女は器用に鼻先で開ける術を編み出してしまった。

食事の回数と量については、獣医師の指導を仰ぐべきだ。成長期には一日三回、成犬になれば二回が基本とされているが、個体差もある。ルナの場合、朝七時と夜六時の二回に落ち着いたのは、彼女が一歳を過ぎてからだった。それまでは昼食も与えていたが、次第に昼の食事への興味が薄れていくのを感じた。犬もまた、自分のリズムを持っているのだと気づかされた瞬間だった。

ある冬の夕暮れ、私は鍋料理を囲んでいた。湯気が立ち上り、部屋中に白菜と豚肉の香りが満ちていた。ルナは私の足元で伏せをしていたが、その鼻はずっと空中を漂う匂いを追っていた。ハスキーは人間の食べ物に強い関心を示す。だが、ここで安易に与えてはいけない。玉ねぎやネギ類、チョコレート、ぶどう、キシリトールを含む食品など、犬にとって有毒なものは数多く存在する。私はルナの視線を感じながらも、決して食卓から何かを落とさないよう注意を払った。

それでも、ある日の朝、私はうっかりトーストの端を床に落としてしまった。その瞬間、ルナは稲妻のような速さで駆け寄り、ひと口で飲み込んだ。私が「待て!」と叫ぶ間もなかった。幸いバターだけが塗られたパンの端だったため事なきを得たが、心臓が凍りつく思いだった。以来、私は食事中、まるで爆弾処理班のような緊張感を持って食べ物を扱うようになった。

ハスキーには十分な運動量が必要であり、それは食事の質とも深く関わっている。彼らは元来、極寒の地でソリを引いていた犬種である。その筋肉を維持し、エネルギーを発散させるためには、高タンパク質でバランスの取れた食事が欠かせない。私はブランド名こそ覚えていないが、「ノーザンウルフ」という名前のドッグフードを長く愛用していた。原材料にサーモンと鹿肉が使われており、ルナの毛並みは見違えるほど艶やかになった。

食事の時間は、ただ栄養を摂取する場ではない。それは信頼関係を築く儀式でもある。私はルナに「待て」を教え、彼女が静かに座ってから食器を置くようにした。最初は三秒も待てなかった彼女が、今では一分以上じっと私の目を見つめて待つことができる。その瞳には、期待と信頼が混ざり合っている。

水の管理も忘れてはならない。ハスキーは体温調節が苦手な犬種であり、特に夏場は大量の水を必要とする。私は家の中に三箇所、水飲み場を設けた。リビング、寝室、そして庭に面した廊下。ルナはそれぞれの場所で、異なる飲み方をする。リビングではゆっくりと、寝室では眠そうに、廊下では勢いよく。その姿を見ているだけで、彼女の一日の疲れ具合が分かるようになった。

子どもの頃、私は祖母の家で柴犬を飼っていた。その犬は食事の時間になると、必ず祖母の膝元に座った。祖母は犬用の食事を用意しながら、「この子はわたしの影法師だ」と笑っていた。今、ルナが私の足元で待つ姿を見るたび、あの祖母の言葉が蘇る。犬と暮らすことは、誰かの影になり、誰かに影を与えることなのかもしれない。

食事に関する失敗談は尽きない。ある時、私は新しいフードに切り替えようとして、急に全量を変えてしまった。その夜、ルナは激しい下痢に見舞われ、私たちは夜通し動物病院の待合室で過ごすことになった。獣医師は優しく、しかし厳しく言った。「フードの切り替えは一週間から十日かけて、少しずつ混ぜながら行ってください」と。それ以来、私は何事も焦らず、ルナのペースに合わせることを学んだ。

ハスキーと暮らすということは、常に観察者であることを求められる。彼らは言葉を話さないが、体調の変化は食欲や便の状態に現れる。毛艶、目の輝き、歩き方、すべてが健康のバロメーターだ。食事はその基盤であり、私たちが彼らに与えられる最も確実な愛情表現である。

今、ルナは六歳になった。彼女の食事の時間は、私にとっても一日の区切りとなっている。朝の食事は新しい一日の始まりを告げ、夜の食事は静かな夜への準備となる。食器を洗う音、彼女が水を飲む音、そして満足そうに床に伏せる気配。それらすべてが、私たちの暮らしを形作っている。ハスキーと暮らすとき、気をつけるべきことは多い。だが、その全てが愛おしい日常の一部なのだと、今ならはっきりと言える。
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