ハスキーと暮らす日々——食卓を囲む前に知っておきたいこと

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引っ越しの荷物がまだ玄関に積まれていた初夏の午後、私は初めてハスキー犬と暮らし始めた。窓から差し込む陽の光が床に長い影を落とし、新しい生活への期待と不安が入り混じった空気が部屋を満たしていた。彼の名前はアルク。まだ生後八ヶ月の若いオスで、灰色と白の毛並みが光の加減で微妙に表情を変える。最初の数日間、私たちはお互いの距離を測りながら、慎重に関係を築いていった。

ハスキー犬と暮らすということは、想像以上に「食」にまつわる配慮が必要だということを、私は身をもって知ることになった。彼らは見た目こそ野性味があって頼もしいが、実は胃腸がデリケートで、食事の管理には細心の注意が求められる。特に子犬の頃は、何でも口に入れようとする好奇心と、まだ未熟な消化機能のバランスが難しい。アルクも例外ではなく、最初の一週間で床に落ちた輪ゴムを飲み込みかけて、私を冷や汗まみれにさせた。あの時の焦りは今でも鮮明に思い出せる。

ハスキー犬の食事で最も気をつけるべきは、給餌の量と回数だ。彼らは運動量が多い犬種だが、だからといって食べ過ぎれば当然肥満につながる。逆に少なすぎれば、あの大きな体を維持するエネルギーが足りなくなってしまう。私は獣医師の勧めで、成長期のアルクには一日三回、決まった時間に食事を与えるようにした。朝七時、昼の十二時半、そして夜の六時。この時間になるとアルクは時計を見るわけでもないのに、不思議とキッチンの前で待っている。犬の体内時計の正確さには、いつも驚かされる。

食事の内容にも配慮が必要だった。市販のドッグフードを選ぶ際、私は成分表示を何度も読み返した。ハスキー犬には高タンパク質で脂肪分が適度に含まれたフードが適しているという。また、穀物アレルギーを持つ個体も少なくないため、グレインフリーのものを選ぶ飼い主も多い。私が最終的に選んだのは「ノルディックブルー」という北欧メーカーのフードで、サーモンとサツマイモが主原料のものだった。袋を開けると、ほんのり魚の香りがして、人間が嗅いでも不快ではない。アルクはこのフードを気に入ったようで、毎回完食してくれた。

しかし、ドッグフード以外のものを与える時には、より一層の注意が必要になる。ハスキー犬に限らず、犬にとって危険な食べ物は意外と多い。チョコレート、玉ねぎ、ぶどう、アボカド。これらは少量でも中毒症状を引き起こす可能性がある。私の友人は以前、愛犬がテーブルの上のチョコレートケーキを盗み食いして、深夜に動物病院へ駆け込んだという。幸い大事には至らなかったが、それ以来彼女は食べ物の管理に神経質なほど気を配るようになった。

ある日の夕方、私がキッチンでサラダを作っていると、アルクが足元で期待に満ちた目でこちらを見上げていた。その視線があまりにも真剣で、つい笑ってしまった。「ダメだよ、これは人間の食べ物だから」と言いながら、私は彼の頭を優しく撫でた。すると彼は諦めたように溜息をつき——犬も溜息をつくのだと初めて知った——自分のベッドへとゆっくり歩いていった。その後ろ姿がどこか哲学者のようで、妙に可笑しかった。

水分補給も食事と同じくらい重要だ。ハスキー犬は寒冷地原産の犬種なので、暑さに弱い。特に夏場は脱水症状に注意が必要で、常に新鮮な水を用意しておく必要がある。私はアルクのために、リビングと庭の二箇所に水入れを置いた。最初は普通のステンレスボウルを使っていたが、彼が飲む時に水が飛び散って床が濡れるので、後に重みのある陶器製のものに変えた。それでも興奮している時は豪快に飲んで、口の周りを水浸しにしている。

子どもの頃、実家で飼っていた雑種犬は何でも食べる丈夫な犬だった。人間の食卓から落ちたものを拾って食べても、特に問題はなかった。だから私は最初、犬の食事管理というものをそれほど深刻に考えていなかった。しかしハスキー犬と暮らし始めてから、犬種によってこれほど違うのかと驚いた。アルクは少しでもいつもと違うものを食べると、すぐにお腹を壊してしまう。そのたびに私は自分の管理不足を反省し、より慎重になっていった。

食事の時間は、私たちにとって単なる栄養補給の時間ではなく、信頼関係を築く大切な時間でもある。アルクは食事の前に必ず「お座り」と「待て」をする。そして私が「よし」と言うまで、じっと待っている。その瞬間の彼の集中力は見事なもので、まるで世界中で一番大切なことに取り組んでいるかのようだ。そして許可が出ると、一気に食べ始める。その食べっぷりの良さを見ていると、こちらまで嬉しくなってくる。

ハスキー犬と暮らすということは、彼らの本能や習性を理解し、それに寄り添う生活を送るということだ。食事ひとつとっても、気をつけるべきことは山ほどある。しかしそれは決して負担ではなく、むしろ彼らとの絆を深める機会なのだと、今では思えるようになった。アルクが健康で幸せに過ごせるように、私はこれからも学び続けていくだろう。窓の外では夕暮れの光が少しずつ色を変えていき、部屋の中には静かな時間が流れていた。
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