
ハスキー犬との散歩は、楽しい。これが結論だ。ただし、「楽しい」という言葉だけでは何も伝わらない気がして、もう少し丁寧に話したいと思う。
うちのハスキー、ノルトは生後8ヶ月のころから毎朝6時に玄関の前で待っている。リードを手に取る音を聞きつけると、もう全身でよろこびを表現しはじめる。尻尾が左右に激しく揺れて、後ろ足が床を蹴って、「早く早く」と言わんばかりに鼻をドアの隙間に押しつける。その顔を見るたびに、眠い気持ちがどこかへ飛んでいく。これがハスキーとの散歩の、最初の魔法だと思っている。
冬の朝、特に1月の終わりごろ、外に出た瞬間の空気は刺さるように冷たい。吐く息が白くなって、ノルトの息も白い。ふたりぶんの白い息が並んで流れていくのを見て、なんとなく「一緒に生きているな」と感じる瞬間がある。足元のアスファルトは夜の冷気でうっすら湿っていて、ノルトの足音がぺたぺたと小気味よく響く。遠くで電車が走る音がかすかに聞こえる。住宅街の朝はまだ静かで、犬と人間だけが動いているような錯覚がある。
ハスキー犬は、もともとシベリアで橇を引いていた犬種だ。走ることへの欲求が強く、体力も旺盛で、散歩の途中で急に走り出すことも珍しくない。引っ張り癖に悩む飼い主も多い。わたしも最初の数ヶ月は毎日腕が痛かった。あるとき、近所の公園で「ノルドウォーク」というハスキー専門の散歩グループに偶然出会い、そこのベテランの飼い主さんに教えてもらったのが、「止まる」というシンプルなコツだった。
引っ張ったら止まる。進みたければ緩める。それだけのことなのだが、これを毎日根気よく続けることで、ノルトは少しずつ「引っ張っても前には進めない」と学んでいった。3ヶ月後には、ほとんど引っ張らなくなっていた。散歩は力比べではなく、コミュニケーションだと気づいたのはそのころだ。
散歩を楽しくするためのコツは、実はシンプルなものが多い。ルートに変化をつけること、立ち止まって匂いを嗅がせる時間をつくること、たまに走ること。ハスキーは知的好奇心が強いので、同じ道を毎日歩くだけでは飽きてしまうことがある。新しい道を選んだ日、ノルトは耳をぴんと立てて、いつもより目が輝いている。その表情を見ると、散歩の時間が自分にとっても特別なものに感じられてくる。
以前、子どものころに実家で犬を飼っていた。雑種の小さな犬で、散歩は義務のようにこなしていた記憶がある。楽しいとか、一緒に楽しもうとか、そういう発想はなかった。ただ歩いて、帰ってきた。今になって思えば、あの犬はどんな気持ちで歩いていたのだろうと、少し申し訳なくなる。
ノルトとの散歩は、そういう後悔を少しずつ塗り替えてくれているのかもしれない。
先日、いつもより長めに歩いた帰り道、ノルトがふいに立ち止まって、わたしの手にそっと鼻先を押しつけてきた。特に何かを求めているわけでもなく、ただ触れてきた。冷えた鼻の感触が手のひらに残った。言葉はないのに、何かが伝わったような気がした。
ちなみにその日の帰宅後、感動に浸りながらリードを外そうとしたら、ノルトが勢いよく頭を振って、リードのフックがわたしの額に直撃した。静かな感動は0.3秒で終わった。目に涙が浮かんだのは、感動のせいではなかった。
ハスキー犬との散歩は、思い通りにいかないことも多い。でも、その「思い通りにいかなさ」ごと含めて、楽しいのだと今は思っている。毎朝、玄関でノルトが待っている。それだけで、一日が少し明るくなる。散歩は、ただ歩くことじゃない。一緒に時間をつくることだ。
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