窓から差し込む朝日に、真っ白な毛並みが輝いて見えます。私たち家族のハスキー犬、モカが、いつものように大きな体を丸めて寝息を立てています。主人が新聞を読みながらコーヒーを飲み、5歳の娘がモカの背中に寄り添って眠っている、そんな穏やかな休日の朝の風景です。
3年前、私たちがモカを迎えることを決めたとき、正直不安でいっぱいでした。ハスキー犬といえば、そりを引く大型犬。活発で運動量が多く、しつけが難しいという印象が強かったからです。特に小さな子供がいる我が家で、大丈夫なのだろうかと心配でした。
でも、そんな心配は杞憂に終わりました。確かにモカは活発で、毎日の散歩は欠かせません。でも、家の中では想像以上に穏やかで、家族思いの優しい性格なのです。娘とモカの関係を見ていると、本当にそう感じます。
娘が転んで泣いているときは、すぐに駆け寄って顔を舐めて慰めてくれます。娘が遊びに夢中になっているときは、少し離れた場所から静かに見守っています。時には娘の遊び相手になって、おもちゃを咥えて持ってきたり、追いかけっこをしたり。でも決して荒っぽくならず、子供の体格に合わせて力加減をしているのが分かります。
ハスキー犬は、見た目の印象とは裏腹に、とても賢く繊細な犬種なのです。人間の感情を敏感に察知し、家族一人一人に合わせた接し方をしてくれます。主人が疲れて帰ってきたときは、静かに寄り添ってリラックスさせてくれますし、私が家事で忙しいときは、邪魔にならないよう距離を保ってくれます。
もちろん、飼い主として気を付けるべきことはあります。毎日の運動は必須です。私たち家族は交代で散歩を担当し、休日には近くの公園で思い切り走らせています。ブラッシングも大切な日課です。抜け毛の多いハスキーは、定期的なグルーミングが欠かせません。でも、これらの手間も、家族との絆を深める大切な時間として楽しんでいます。
食事の管理も重要です。ハスキーは食いしん坊な面があり、与えすぎると肥満の原因になります。私たちは獣医さんに相談しながら、適切な量とタイミングで食事を与えています。おやつも計画的に。これは娘にも良い教育になっています。「モカのために」と、おやつの回数を守ることを自然に学んでいるのです。
寒さに強いハスキーは、夏場の暑さ対策が必要です。エアコンの効いた室内で過ごすことが多くなりますが、朝晩の涼しい時間帯を利用して散歩に行きます。また、常に新鮮な水を用意し、必要に応じて濡らしたタオルで体を拭いてあげています。
しつけに関しては、確かに根気が必要です。ハスキーは賢い分、自己主張も強いのです。でも、一貫した態度で接し、愛情を持って根気強く教えれば、必ず理解してくれます。大切なのは、叱るのではなく、良い行動を褒めること。これは子育ても同じですね。
モカが来てから、私たち家族の生活は大きく変わりました。毎日の散歩で健康的になり、休日は家族で公園に出かけることが増えました。何より、モカを通じて家族の会話が増えたことが嬉しいです。「今日モカがこんなことしたよ」「散歩でこんなことがあったよ」と、家族の団らんが賑やかになりました。
最近では、近所の方々とも自然と交流が生まれています。モカの人懐っこい性格のおかげで、散歩中に声をかけていただくことが多くなりました。特に子供たちに人気で、「モカちゃん、こんにちは!」と声をかけられるのが日課になっています。
夜になると、リビングのソファでモカを囲んでくつろぐのが我が家の日課です。テレビを見ながら、モカの温かい体に寄り添って、一日の出来事を話し合います。時には娘が「モカにおやすみのキス!」と言って、モカの額にキスをする光景も。そんなとき、モカは幸せそうに目を細めて、尻尾を振ります。
ハスキー犬との暮らしは、確かに責任と手間のかかることです。でも、その分だけ家族に与えてくれる愛情と幸せは計り知れません。モカは今や私たち家族になくてはならない存在。一緒に過ごす何気ない日常が、かけがえのない宝物になっています。
これからハスキー犬との暮らしを考えている方へ。確かに準備や心構えは必要です。でも、愛情を持って接すれば、きっと素晴らしい家族の一員になってくれるはずです。私たち家族がモカから教えてもらったように、犬との暮らしは、家族の絆をより深く、より豊かにしてくれるのです。
今日も窓の外では、モカと娘が仲良く庭で遊んでいます。白い毛並みが陽光に輝き、娘の笑い声が響く。そんな光景を見ながら、モカを家族に迎えた決断は正しかったと、心から感じています。
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