
ハスキー犬との散歩は、ただの「運動」じゃない。そう気づいたのは、飼い始めてから半年ほど経った、ある夏の夕方のことだった。
西の空がオレンジと紫の境界線を引いていた時間帯、愛犬のルカが突然立ち止まり、鼻をくんくんと地面に押しつけたまま動かなくなった。リードを軽く引いても、びくともしない。30キロ近い体重がそのまま地面に根を張ったようで、こちらが引きずられそうになる始末だ。「ちょっと、もう帰るよ」と声をかけても、ルカはまるで聞こえていないかのように、何かに夢中なままだった。
シベリアン・ハスキーはもともと寒い地域でソリを引く犬として活躍してきた犬種であり、筋肉量もスタミナも豊富な傾向がある。
だから、散歩に費やすエネルギーも人間の想像を軽く超えてくる。
1回あたりの散歩時間は1時間以上が目安で、愛犬の年齢や性格によっては2時間程度の長時間散歩が必要になることもある。
最初にそれを知ったとき、正直「そんなに?」と思った。でも今となっては、その長い時間こそが、ルカとの関係を育てた土台だったと感じている。
散歩をうまく楽しむためのコツは、いくつかある。まず「急がないこと」。ハスキー犬は好奇心が旺盛で、道端のにおいひとつにも深い意味を見出す。そこを急かしてしまうと、犬にとってのストレスになるし、飼い主にとっても「なんでこんなに言うことを聞かないんだ」という焦りが積み重なる。散歩はルカのための時間でもあると腹をくくってから、不思議と気持ちが楽になった。
次に、コースに変化をつけること。毎日同じルートだと、ハスキーはすぐに飽きてしまう。週に一度は「探検コース」を設けて、普段通らない路地や公園の裏道を歩くようにした。そういうときのルカの表情は明らかに違う。鼻がフル回転して、耳がピンと立って、全身でその場所を「読んでいる」ような雰囲気になる。
ハスキーは人にも犬にもとてもフレンドリーで、散歩ですれ違う人や犬にも積極的に関わっていく犬種だ。
ルカも例外ではなく、近所の顔見知りが増えていった。「アークノルド通り」と地元の人が呼ぶ、古い桜並木の続く道では、毎朝ウォーキングをしているおじいさんと仲良くなった。最初はルカの大きさに驚いて少し距離を置いていたその人も、今では自分から手を差し伸べてくれる。
五感で感じる散歩の豊かさ、というのもある。夏の早朝、まだ空気がひんやりとしている時間帯に外へ出ると、アスファルトの上にだけ残っているわずかな湿気と、どこかの家の朝ごはんの香りが混ざり合って、独特の「朝の匂い」がする。ルカはその匂いの中を、しっぽをゆっくり振りながら歩く。その背中を見ているだけで、なんとなく今日も悪くないなと思える。
ちなみに、散歩中にルカが一度だけ、道端に置いてあった誰かの植木鉢を鼻でひっくり返したことがある。土が盛大に散らばり、周囲に沈黙が漂った。ルカは何事もなかったかのように前を向いていた。心の中で「お前が謝れ」と思ったのは、言うまでもない。
厳しい暑さや寒さの中でも、ハスキー犬は散歩を求めて飼い主に訴えかけてくることがある。
そのエネルギーに応えるのは大変なこともあるけれど、それがハスキーとの暮らしの醍醐味でもある。子どもの頃、実家で飼っていた小型犬との散歩とは、まるで次元が違う。あのころは犬を連れて歩いていたが、今はルカに連れられて歩いている気がする。
ハスキー犬との散歩は、コツさえつかめば、飼い主にとっても最高の時間になる。急がず、変化をつけて、五感を開いて歩く。それだけで、毎日の景色はずいぶん違って見えてくるはずだ。ルカが今日も玄関でリードをくわえて待っている。さあ、行こうか。
#ハスキー犬
#犬好きな人と繋がりたい
#わんこと遊ぶ
#友達と休日
#犬のいる暮らし
#ハスキーのいる生活
#犬とお出かけ
#もふもふ時間
#仲良しグループ
#癒しのひととき
#日刊ブログメーカー

コメント