
朝、カーテンの隙間から差し込む光が床に細長く伸びる時間帯、シベリアン・ハスキーのクロはいつも私より先に目を覚ましていた。重たいまぶたをこすりながらリビングへ向かうと、すでに水を飲み終えたクロが、こちらをじっと見つめている。その目の色が、右は琥珀色、左は薄いブルーで、朝の光の中ではとくに不思議な輝きを放っていた。
ハスキーと一緒に暮らすというのは、想像よりずっと「体力がいること」だと知ったのは、実際に迎えてから三ヶ月が経った頃だった。
食事のことから話すと、ハスキーは消化器系がデリケートな犬種として知られている。もともと極寒の地で少量の食事で長距離を走るために改良された歴史があり、現代の豊かな食環境に置かれると、むしろ「食べすぎ」による問題が起きやすい。胃拡張や消化不良、食後すぐの激しい運動による胃捻転リスクは、ハスキーにとって決して軽視できない。だから食後は少なくとも一時間、できれば二時間は安静にさせることを獣医師にも強く勧められた。
クロに出していたのは、国産のドッグフードブランド「ノルテラ」のグレインフリータイプだった。タンパク質の比率が高く、ハスキーの筋肉維持に向いているとペットショップで勧められたものだ。ただ、量の加減が難しかった。パッケージに書かれた目安量通りにあげていたら、クロは明らかに太り始め、獣医師に「少し減らしましょう」と言われた。目安はあくまで目安で、個体差があることを、そのとき初めて実感した。
食事の回数は一日二回に分けるのが基本だ。一度に大量に食べさせると前述の胃捻転リスクが高まる。クロは食欲旺盛で、ボウルを置いた瞬間に顔を突っ込み、三十秒もしないうちに完食してしまう。早食い防止のために凸凹したフードボウルに変えてみたが、クロはそれを前脚で押さえながら器用に食べていた。思わず「天才か」と心の中でつぶやいたが、それは褒め言葉ではなく、完全に負けを認めた瞬間だった。
食事以外で気をつけることも多い。
ハスキーは被毛が二層構造になっていて、換毛期には信じられない量の毛が抜ける。春と秋の換毛期、床に積もった白い毛を掃除機で吸い続けながら、子どもの頃に祖母の家で見た雪景色を思い出した。あの縁側に積もった雪の白さと、床に広がるクロの毛の白さが、なぜか重なって見えた。毛のケアを怠ると皮膚トラブルにつながるため、週に数回のブラッシングは欠かせない。
運動量についても、ハスキーは他の犬種と比較にならないほど必要とする。一日一時間程度の散歩では到底足りず、走れる環境があるならドッグランの活用も検討すべきだ。近所の「ヒカリ公園」のドッグランは広さがあり、クロは毎週末そこで思い切り走り回っていた。帰宅後は泥だらけで、玄関でタオルを手に持ちながら「また洗うのか」と思う気持ちと、満足そうに横たわるクロを見る温かさが、毎回同時にやってくる。
室温管理も重要な点だ。ハスキーは寒さに強い一方、暑さには非常に弱い。夏場のエアコン設定は26度以下を目安にしていたが、それでもクロはタイルの上にべったりと腹をつけて涼んでいた。床のひんやりとした感触を求める姿は、見ていて少し申し訳なくなるほどだった。
精神的な部分も見落とせない。ハスキーは群れで生きる本能が強く、孤独を苦手とする。長時間の留守番が続くと、吠え続けたり、家具を噛んだりする行動が出てくることがある。クロも最初の頃は一人にすると遠吠えをしていた。近所の方に謝りに行ったこともある。
一緒に暮らすというのは、相手のリズムを知ることだと思う。
食事の時間、散歩の時間、眠る時間。クロが水を飲み終えてこちらを振り返るとき、その目に映る光の色が変わる瞬間がある。それを見るたびに、この生き物と同じ時間を生きているという感覚が、静かに胸に落ちてくる。気をつけることは確かに多い。でも、それ以上のものが、毎日の暮らしの中に確かにある。
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