いい天気の午後、ハスキー犬と歩いた道のことを、ずっと忘れないと思う。

遊ぶ

ALT

空が、やけに青かった。

八月の午後二時を少し回ったころ、住宅街の路地に差し込む光はすでに白く焼けていて、アスファルトの上に影がくっきりと落ちていた。こんなにいい天気の日に家の中にいるのはもったいないと思ったのは、たぶん私だけじゃなかった。

シベリアンハスキーはそり犬としての歴史を持つ犬種で、強い運動本能と高い持久力を持っている。
うちのハスキー犬、ルーク(正式名称:ルーカス・フォン・ノルデン、命名は夫、由来は謎)は、玄関にリードを取りに行った瞬間から、もうすでに興奮していた。尻尾が回転しているというより、尻尾に体がついてきている、という表現の方が正しい。

外に出た途端、ルークは鼻をぐっと地面に押しつけた。何かのにおいを嗅いでいるのだろうが、その真剣さたるや、ちょっとした捜査官レベルだ。草のにおい、土のにおい、誰かが通った痕跡のにおい。私には何も分からないそれらを、彼は全身で受け取っていた。

散歩コースはいつもの「緑ヶ丘第二公園」沿いの道。ここは桜並木があって、夏はその葉が重なり合って日陰を作ってくれる。午後の光が木漏れ日になって、地面に丸い模様を描いていた。風が吹くたびに、その丸がゆらゆらと揺れる。ルークはそのゆらぎをじっと見ていた。何を考えているのか、私には分からない。でも、その横顔が好きだ。

歩き始めてしばらく、ルークのペースは落ちない。むしろ加速している。リードを握る手に、ぐっと重みがかかる。
散歩に行きたくてたまらないハスキーは、独特の鳴き声で訴えかけたり、飼い主の脚を前足でつっついたりすることもある
というが、ルークはもっとシンプルだ。ただ、前に進む。ひたすら前に。体重二十五キロの純粋な意志が、リードを通じて腕にダイレクトに伝わってくる。

子どもの頃、近所に大きな犬を飼っているおじさんがいた。犬の名前は確か「ゴン」だったと思う。茶色い雑種で、いつも鎖につながれていた。散歩に連れて行ってもらえないその犬が、遠くから私を見るときの目が、なんとなく今も頭に残っている。だからかもしれない、犬を飼うなら絶対にたくさん歩かせようと、ずっと思っていた。

公園の入口を過ぎたあたりで、ルークが突然立ち止まった。前方に小さな子どもがいた。三歳か四歳くらいの女の子が、麦わら帽子をかぶって、しゃがんで何かを見ていた。ルークはゆっくりと近づいて、においを嗅ぎ、それからぺろりと女の子の手を舐めた。女の子は驚いた顔をしたあと、声を出して笑った。「あったかい!」と言っていた。

その声が、夏の空気に溶けていった。

ハスキーは人にも犬にもとてもフレンドリーで、吠えることもあまりない犬種
だと言われているが、ルークを見ていると確かにそう思う。知らない人にも、知らない犬にも、基本的に「こんにちは」の姿勢で向かっていく。その無防備さが、時々うらやましくなる。

いい天気というのは、こういう日のことを言うのだと思う。

汗が背中を伝っていた。日焼け止めを塗り忘れたことに、歩き始めて十分後に気づいた(これが本日唯一の失敗だ)。でも、それでも足は止まらなかった。ルークが歩いているから、私も歩く。それだけのことが、なんだかとても大切な時間に感じられた。

散歩が好きな犬にとって、飼い主と屋外を歩く時間は至福のひとときだ。
それは、きっと飼い主にとっても同じだ。並んで歩きながら、同じ風を受けて、同じ光の中にいる。言葉はいらない。ただ、リードの先にあの温もりがあるだけで、十分だった。

帰り道、ルークは少しだけペースを落とした。それでも、家の玄関が見えた瞬間、また尻尾が回り始めた。散歩の終わりを知っていても、喜ぶ。この犬は、本当に正直だ。

また明日も、歩こう。いい天気だといいな、と思いながら、リードを外した。
#ハスキー犬
#犬好きな人と繋がりたい
#わんこと遊ぶ
#友達と休日
#犬のいる暮らし
#ハスキーのいる生活
#犬とお出かけ
#もふもふ時間
#仲良しグループ
#癒しのひととき
#日刊ブログメーカー

コメント

タイトルとURLをコピーしました