
秋の朝というのは、空気が妙に澄んでいる。午前六時半、駐車場に出ると、アスファルトがうっすら冷えていて、素足にサンダルで踏み出した瞬間にぴりっとした冷たさが足の裏を走った。そんな朝に、うちのハスキー犬・ソラは、すでに玄関先でリードを咥えてこちらを見上げていた。今日は長距離移動の日だ。
シベリアンハスキーとの遠距離ドライブは、ただ「犬を車に乗せる」という話ではない。ハスキー犬はもともと体温調節が得意な犬種ではあるが、密閉された車内という環境は、彼らにとって想像以上の負担になる。
夏に限らず、直射日光がクレートに当たり続ける状況では、運転席が涼しくても後部座席や荷室には十分に冷気が届いていないことがある。
そのことを、最初の遠出で思い知った。
あれは三年前、岐阜の山あいにある「北ノ沢オートキャンプ場」へ向かう途中のことだった。エアコンはずっとかけていたのに、ソラが荷室でぐったりしていて、慌ててサービスエリアに滑り込んだ。車から降ろした瞬間、彼はよろよろと草の上に倒れ込み、そのまま五分間、ひたすら地面に頬を押し付けていた。あの光景は今でも忘れられない。ちなみに私は「エアコンつけてたから大丈夫」と思っていた、という完全な油断だった。
だから今は、出発前の準備を丁寧にやるようになった。
車に乗る前は食事を与えない。普段通りにご飯をあげてから乗せると、車酔いや嘔吐につながるリスクがある。
ソラにとっても、空腹のほうが体が軽く動ける。出発前には必ず散歩に連れ出して、トイレを済ませ、エネルギーを少し発散させてから乗せる。そうすると、車内での落ち着き方がまるで違う。
移動中の休憩も、かなり意識するようになった。
約2時間ごとに停車して、運動と排泄の機会を与えることが推奨されている。
ただ、ソラの場合は2時間を待たずしてそわそわし始めることが多い。よだれが増えたり、クレートの中で何度も向きを変えたりするのが、彼なりのサインだ。そういうときは迷わず次のパーキングに入る。
高速道路のパーキングで犬が逃げ出してしまうと事故の危険が高まるため、車のドアを開ける前に必ずリードを装着する。
これは絶対に忘れてはいけない手順だ。
車内の環境づくりも大切にしている。
穏やかな音楽を流して、お気に入りの毛布やおもちゃを側においてあげると、安心感につながる。
ソラのお気に入りは、くたびれた茶色のぬいぐるみで、もう耳が片方取れかけているのだが、それを車内に置いておくだけで彼の呼吸がすっと落ち着く。香りというのは、犬にとって場所の記憶と直結しているのかもしれない。
走行中の運転にも気を遣うようになった。
犬は人間以上に揺れや振動に敏感で、急発進や急ブレーキはなるべく避けたほうがいい。特に山道ではカーブが多くなるため、できるだけゆっくり走ることが大切だ。
ハスキー犬を連れてからというもの、私の運転は明らかに穏やかになった。同乗した友人に「なんか別人みたいに優しい運転だね」と言われたことがある。ソラのおかげで、私自身も少し丸くなったのかもしれない。
到着したときの彼の顔が、すべての苦労を帳消しにする。車のドアを開けた瞬間、ひんやりした外気がどっと流れ込んで、ソラが鼻先をぴくぴくさせながらゆっくりと外へ踏み出す。その一歩目の、なんとも言えない慎重さと好奇心の混じった仕草が、毎回たまらなく好きだ。
ハスキー犬との遠距離移動は、準備と観察の積み重ねだ。完璧にはいかないし、毎回何かしら「次はこうしよう」という発見がある。それでも、助手席の窓に鼻を押し付けて外を眺めるソラを横目に見ながら走る時間は、どんな景色よりも豊かだと思っている。
#ハスキー犬
#犬好きな人と繋がりたい
#わんこと遊ぶ
#友達と休日
#犬のいる暮らし
#ハスキーのいる生活
#犬とお出かけ
#もふもふ時間
#仲良しグループ
#癒しのひととき
#日刊ブログメーカー

コメント