ハスキーと行く遠距離ドライブ——車に乗せる前に知っておきたい、大切なこと

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# ハスキー犬との遠距離移動:準備から到着まで

六月の朝、まだ空気がひんやりと残っている早朝五時半。わたしは車のトランクにクレートを積み込みながら、隣でしっぽを振り続けるハスキー犬のシロを眺めていた。目的地は長野の山あいにある小さなキャンプ場、「奥霧ノ原オートキャンプ場」。片道およそ四時間半の遠距離移動だ。

近年シベリアンハスキーへの注目はじわじわと再燃している。その精悍な顔立ちと、どこか甘えん坊な性格のギャップが、多くの人の心を掴んでいるのだろう。「見た目はツンで、行動はデレ」——そんな表現がぴったりなのがハスキーという犬種だ。そんな愛おしい存在と一緒に、車で遠くへ出かけたいと思うのは自然なことだと思う。ただ、遠距離移動には準備と知識が欠かせない。

## 出発前の準備

まず出発前に必ずやっておくこと。出発前に愛犬と散歩するなどして、トイレを済ませておくことが大切だ。車の揺れによって普段より尿意が起こりやすくなるため、排泄を我慢させることが犬の身体への負担やストレスとなる。シロの場合、出発前に近所を十五分ほど歩かせると、ほぼ確実にすっきりしてくれる。

食事のタイミングも重要だ。乗車の少なくとも二時間前にはごはんを済ませ、量はいつも通りかやや少なめにするのが目安。食事をとってから三〜六時間後の出発がベストとされている。わたしが初めてシロを長距離移動に連れて行ったとき、うっかり出発一時間前に満腹にさせてしまったことがある。高速に乗って三十分ほどで、シロが急におとなしくなり、よだれをたらし始めた。

## 車内環境の整備

車は早く流れる景色やエンジンの振動、狭い空間など、犬にとってストレスがかかりやすい場所だ。だからこそ、車内環境を整えることが遠距離移動の鍵になる。

ハードクレートは万が一の急ブレーキや急ハンドルでも全身が囲われているため、大きく身体をぶつけることもなく、最も安心・安全な方法とされている。ハスキー犬は体格が大きいので、しっかりしたサイズのクレートを選ぶことが大切だ。シロのために使っているのは、アウトドアブランド「ノルデンペット」の大型ハードクレートで、底面にはシロが普段使っているブランケットを敷いている。

持ち物はできるだけ使い慣れたものを揃えておくことが大切で、慣れない環境に加えて新しいグッズに愛犬が戸惑ってしまうこともある。毛布一枚、おもちゃ一個、いつものフード。それだけで車の中が「知っている場所」に少し近づく。

犬は嗅覚が優れているため、車内のこもったにおいに敏感に反応して気分が悪くなってしまうことがある。良かれと思って使っている芳香剤に不快感を感じてしまうこともあるため、強いにおいが残るものは使用しないことをおすすめする。これはハスキー犬のような嗅覚の鋭い大型犬には特に当てはまる話だ。

## 移動中の注意点

休憩のタイミングも、遠距離移動では欠かせない。高速道路を使って移動する際、最近ではドッグランがついているサービスエリアが増えてきているので、人間も愛犬も休むことができる。少し遊ばせてあげると、車の中では寝てくれやすい。シロは一度ドッグランで走らせると、その後の一時間半ほどはクレートの中でぐっすり眠る。

愛犬を膝の上に乗せて運転したり、窓から顔を出させることは道路交通法違反となる事例もあり、誤操作や注意不足を招いて自分以外の人も危険にさらしてしまう可能性があるため、絶対にやめなければならない。

ドッグランやワンちゃん用の施設を利用するときには、一年以内の狂犬病予防接種証明書と混合ワクチン接種証明書が必要不可欠だ。忘れると現地で手に入れることができないので、出発前に必ずチェックリストで確認する習慣をつけておきたい。

奥霧ノ原に着いたのは、昼過ぎの柔らかい光が木々の間から差し込む時間だった。車のドアを開けた瞬間、シロは鼻をひくひくさせ、森の香りを全身で吸い込んだ。ハスキー犬と遠距離移動するとき、一番大切なのは準備と安全運転——でも、その先に待っているあの顔が、すべての手間を帳消しにしてくれる。
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