
はじめて彼女の瞳を見たのは、五月の夕暮れどきだった。西日がリビングのフローリングに斜めに差し込んで、空気がほんのり橙色に染まっていたあの夕方。ペットショップのガラス越しに、吸い込まれるような青い目がこちらをじっと見つめていた。シベリアンハスキーの子犬——その一点の曇りもない眼差しに、気づいたらもう心を持っていかれていた。
あの美しいブルーの瞳と凛々しい姿に心を奪われる一方で、「中型から大型犬を育てるのは初めて」「しつけが難しいって聞くけど、本当に大丈夫かな」という不安も一緒についてくるものだ。
それでも、あの瞬間の引力に逆らえる人間がどれほどいるだろう。
迎えてから最初に思い知ったのは、「運動量」という二文字の重さだった。
毎日2時間以上の散歩や遊びが必要なため、十分な運動や精神的な刺激を与えないとストレスや問題行動につながるケースがある。
朝まだ薄暗い時間帯、眠い目をこすりながらリードを持つ。そのとき彼女——うちのハスキー犬、名前はルカ——は、玄関先でもうすでにそわそわと前足を踏み鳴らしている。その小さな動作のリズムが、なんだか朝のメトロノームみたいで、気づけばこちらも目が覚めていた。
寒さに強い反面、暑さには非常に弱く、熱中症になりやすい犬種だ。気温が高い日中の散歩は避け、早朝や夜間の涼しい時間帯に行うことが推奨される。
だから夏が近づくと、散歩の時間は必然的に夜明け前か、街灯がぽつぽつ灯る夜になる。アスファルトの熱が残る昼間は、ルカはひんやりした廊下のタイルに腹ばいになって、だらりと手足を伸ばしている。その姿が毎回あまりにも脱力しすぎていて、思わず「生きてる?」と声をかけてしまうほどだ。
食事についても、知っておくべきことは少なくない。
股関節の変形により歩行に異常が出る病気は、大型犬が発症しやすく、肥満などが原因で後天的に発症する場合もある。
だからハスキー犬の食事管理は、単に「おなかを満たす」だけでは足りない。カロリーの過剰摂取は関節への負担を増やし、健康寿命を縮める可能性がある。うちでは「ノルドフィールド」という北欧発想のドッグフードブランドを参考にしながら、タンパク質と脂質のバランスを意識するようにしている。獣医師に相談して量を調整したのは、迎えてから三ヶ月目のことだった。
気をつけることは、食事や運動だけではない。
ハスキーの毛はダブルコートのため、毎日の手入れが飼い主にとって重要なルーティンとなる。
特に季節の変わり目——春と秋——は、抜け毛の量が尋常ではない。ソファ、カーペット、着ていたはずの黒いセーター。気づけばどこもかしこも白い毛だらけになる。ブラッシングをしながら、子どもの頃に飼っていた雑種犬のことをふと思い出した。あの子はほとんど毛が抜けなかった。あのころは、こんな苦労を知らなかった。
ハスキーは、少しの隙間からでも脱走しようとする習性がある。散歩中は、ハーネスや首輪のダブルリードを徹底し、万が一リードが外れても大丈夫なように備えることが大切だ。
これは笑えない話で、実際に一度、庭のフェンスの隙間からするりと抜け出したルカを、パジャマのまま近所を走り回って追いかけたことがある。捕まえたときには息が切れて、ルカはといえば、まるで「なんで走ってるの?」という顔でこちらを見ていた。心の中で軽くツッコんだ。追いかけてたのは私のほうなんですが。
外見からはワイルドなイメージを持たれがちだが、実際はとても人懐っこく、友好的な気質を持っている。特に大型犬の中では穏やかで優しい部類に入り、飼い主や家族との信頼関係を大切にする。
夜、ソファに腰かけてぼんやりしていると、ルカがそっと隣に体を寄せてくる。その重さと温かさが、なんともいえない安心感を連れてくる。毛並みに触れると、思ったよりずっとふわりと柔らかい。
長時間の留守番は避けるようにし、日常的に一緒に過ごす時間を確保することが大切だ。
それはつまり、ハスキーとの暮らしは「生活ごと変わる」ということでもある。起きる時間も、帰る時間も、週末の過ごし方も。でも不思議なことに、その変化が今は少しも惜しくない。あの五月の夕暮れに見た青い瞳が、今もリビングでこちらを見ている。
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