
朝の光がカーテンの隙間から差し込む、夏の始まりのような朝。リビングの床には、白と灰色の大きな塊がのびのびと寝転がっている。うちのハスキー犬、シロだ。
ハスキーを迎える前、わたしは少し怖かった。オオカミのような顔立ち、鋭い青い瞳、大型犬という響き。「運動量が多い」「しつけが難しい」という言葉を見るたびに何度も迷った。でも今、床に大の字で眠るシロを見ていると、あの不安が遠い記憶のように感じられる。
シベリアンハスキーは力強さとワイルドさが印象的だが、見た目に反して性格は優しくて友好的だ。それはまさに、シロそのものだった。
四歳の娘・莉子は毎朝シロの顔を見るために起きてくる。「シロ~」と小さく呼ぶと、シロはぱちりと目を開け、ゆっくりと尻尾を振りはじめる。莉子がそっと背中に手を乗せると、シロは大きな頭を膝の上にのせてくる。家族に対して非常に愛情深く、甘えん坊な一面を持ち、初対面の人や他の犬にも友好的で、社交性が高い犬種だ。近所を散歩していると、見知らぬ子どもが近づいてきてもシロは尻尾を振って迎え、むしろ自分から顔を寄せていく。人懐こいという言葉が、こんなにも似合う犬がいるのかと思った。
夫がコーヒーを淹れると、豆を挽く音と香ばしい匂いがリビングに漂った。わたしは子どもの頃、祖父の家で嗅いだコーヒーの香りをふと思い出した。夫がマグカップを渡してくれた瞬間、一滴こぼれたコーヒーをシロがすかさず舐めに来て、夫と顔を見合わせて笑った。
シベリアンハスキーは家族以外の人や犬に対しても積極的に交流しようとする友好的な犬で、好奇心旺盛な性格を持っている。莉子の友達が遊びに来るたびに、シロはいつも輪の中心にいる。最初はおそるおそる近づいてきた子も、気づけばシロの背中に抱きついている。
大きな犬がいることで生活が慌ただしくなるかと思っていたけれど、むしろ逆だった。シロのペースに引っ張られるように、わたしたちも少しずつ急ぎすぎることをやめていった。これからハスキーを迎えようと考えている人に伝えたい。怖くない。むしろ、思っているより、ずっと人懐こい。家族の中にもう一つの温かい存在が加わる、そういう感覚に近いと思う。
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