ハスキーと歩く朝の時間が、こんなにも愛おしい——散歩を楽しくするコツ、全部話します

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ハスキー犬と暮らしている人なら、きっと一度は思ったことがあるはずだ。「この子と一緒に歩く時間が、一日の中でいちばん好きかもしれない」と。

シベリアンハスキーは体を動かすことを喜び、散歩やドッグランで走り回るのが大好きな犬種で、毎日の散歩が運動とストレス発散の場になる。
だから散歩は義務ではなく、ふたりで過ごす”約束の時間”のようなものだと、わたしは思っている。

うちのハスキー犬、シロは今年で4歳になった。ブラック&ホワイトの毛並みに、片方だけ淡いブルーのオッドアイ。
目の色や頭部の模様は個体によってさまざまで、一頭一頭の個性が光る。頼りがいのある容姿と愛らしい性格のギャップも、ハスキーの魅力のひとつだ。
シロはまさにそのギャップの塊で、凛々しい顔をしておきながら、玄関でリードを持つとぴょんぴょんと子犬みたいに跳ね回る。

わたしが散歩に出るのは、決まって朝の5時45分ごろ。夏の今の季節でも、その時間帯はまだ空気が少しだけひんやりしていて、アスファルトに触れる足の裏も熱を持っていない。東の空がうっすらとオレンジに染まりはじめた頃、シロと並んでいつもの「カナリエ緑道」へ向かう。この道は地元では知る人ぞ知る散歩コースで、両側に欅の木が並び、朝露の残った草の香りが足元からふわりと立ち上がってくる。

正直に言うと、わたしはもともと朝が苦手だった。子どもの頃から二度寝の常習犯で、小学校の遠足前夜でさえ寝坊しかけた記憶がある。そんなわたしが毎朝5時台に起き上がれるのは、完全にシロのおかげだ。シロが鼻先でそっと布団をめくってくる、あの湿った感触がなければ、今でも8時まで眠り続けていたと思う。

散歩を楽しくするためのコツは、実はシンプルだ。まず、犬のペースを尊重すること。ハスキー犬は好奇心が旺盛で、電柱のにおいひとつにも真剣に向き合う。そこで急かすのは野暮というものだ。
散歩は気分転換になり、飼い主さんとの主従関係を築くきっかけにもなる。
引っ張り合いではなく、同じ方向を向いて歩くこと——それだけで、散歩の質はまるで変わる。

次に、コースに変化をつけること。毎日同じ道を歩くと、犬も飼い主も少しずつ飽きてくる。週に2〜3回は別ルートを選んで、新しいにおいや景色に触れさせてあげると、シロは明らかに目が輝く。カナリエ緑道から少し外れた路地を曲がると、小さな公園があって、そこには決まって老夫婦がベンチに腰掛けている。おじいさんがシロに向かって「おはよう」と手を振るたびに、シロはしっぽをぐるぐると回してこたえる。その光景が、なんとなく好きだ。

そして、もうひとつ大切なコツがある。水分補給を忘れないこと。
ハスキーは寒冷地や山岳地帯など過酷な環境で人間と共に生き抜いてきたため、今も原始的な本能や力強さを色濃く残している。
それでも、日本の夏の暑さは彼らにとって決して楽ではない。折りたたみ式のシリコンボウルと水筒を必ずリュックに入れて出かける。シロが水を飲むとき、ぺちゃぺちゃと豪快な音を立てながら、ちらりとこちらを見上げる。その一瞬の目が、なんとも言えずかわいい。

先日、散歩の途中でシロが突然立ち止まった。何かと思えば、道端に落ちていたコンビニのレジ袋をじっと見つめている。風でふわりと動いた袋に、シロは一歩後退りして低く唸った。あの精悍な顔で、レジ袋に本気で警戒していた。心の中で「それはただのゴミだよ」とツッコみながら、思わず笑ってしまった。

散歩をしていると、つい気になってしまう犬に出会うことがある。
ハスキーも同じで、道行く人々の視線を集める。「きれいな目ですね」「触ってもいいですか」と声をかけられるたびに、シロは誇らしげに胸を張る。そういうとき、飼い主としてなんだか誇らしい気持ちになるのは、きっとわたしだけではないだろう。

帰り道、東の空はすっかり明るくなって、ケヤキの葉が朝日を受けてきらきらと揺れていた。シロのリードを持つ手に、ほんのりとした温もりが伝わってくる。汗ばんだ手のひらと、朝の風と、シロの息遣い。散歩というのは、こういう小さな感覚の積み重ねでできている。

ハスキー犬との散歩は、ただの運動じゃない。毎朝くり返される、ちいさくて確かな幸福だ。コツをつかめば、それはもっと豊かになる。明日の朝も、シロと一緒に、あの緑道を歩こうと思っている。
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