ハスキーと行く遠距離ドライブ、出発前に知っておきたい大切なこと

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夏の朝、まだ空気がひんやりと残る早朝6時。玄関を開けると、ハスキー犬のルカはすでに尻尾を大きく振りながら待ち構えていた。今日は長野の山あいにある「ノーザンフォレスト・ドッグパーク」まで、車で片道4時間超の遠距離移動。準備リストを三回見直したのに、後になって車酔い用の薬を持っていくのをすっかり忘れていたことに気づくのは、高速に乗って30分後のことだった。

ハスキー犬との遠距離移動は、普通のドライブとはわけが違う。まず体が大きい。そして、あの澄んだ青い目でじっとこちらを見つめてくるから、「まあいいか」と甘くなりがちだ。でも、それが一番危ない。

出発前にまずやるべきことは、食事のタイミングを整えることだ。
出発直前に食事をとらせると車酔いしやすくなるため、出発2時間前を目安に食事をとらせるか、普段より少なめの食事量にしてあげるとよい。
ルカの場合、朝5時に少量のドライフードを与え、水だけ飲ませて出発した。それだけで車内での落ち着き方がまるで違う。

走り出す前に、もうひとつ忘れてはならないことがある。トイレだ。
車移動に出発する前だけでなく、帰りの車に乗る前にも、先にトイレを済ませておくことが大切。
ルカを近所の公園で10分ほど歩かせ、ちゃんと用を足させてから助手席の後ろにクレートを固定した。クレートの底には、いつも家で使っている毛布を敷く。慣れた匂いがあるだけで、犬の緊張はずいぶんほぐれるものだ。

高速道路に入ると、エンジンの低い振動音が車内に満ちる。ルカはしばらく鼻をクレートの隙間に押し当てて、外の匂いを嗅ごうとしていた。その仕草が愛おしくて思わず笑ってしまう。
人間にはさほど感じない車の芳香剤や消臭剤の香りも、嗅覚に優れた犬にとっては強い刺激になる。
だから車内の芳香剤は取り外してある。代わりに少しだけ窓を開けると、夏の朝の草の匂いが細く流れ込んできた。ルカの耳がぴくりと動く。

犬は人間以上に揺れや振動に敏感なので、急発進や急ブレーキはできるだけ避けるべきだ。特に山道はカーブが多くなるため、ゆっくり走ってあげることが大切。
アクセルを踏む足に、いつもより少し意識が宿る。ルカのために運転が丁寧になる、というのは不思議な感覚だ。

長距離移動には高速道路を使うことをおすすめしたい。最近ではドッグランがついている高速道路のサービスエリアも増えてきており、人間も愛犬も休むことができる。
1時間半ほど走ったところで、最初の休憩に入った。サービスエリアのドッグランにルカを放すと、それまでじっと耐えていた分を取り返すように駆け回る。草を踏む音、風を切る音。ルカの白と灰色の毛が朝の光の中でふわりと揺れた。あの瞬間だけは、遠距離移動の疲れがすっと消える気がした。

片道3時間を超える遠出や泊まりがけの旅行の際には、かかりつけの動物病院で酔い止め薬を事前に処方してもらっておくと安心だ。
これは次回への反省点として、しっかり手帳に書き込んだ。

万が一に備えて、ドアやウィンドウのロックを徹底することも重要。走行中に犬の顔を窓から出させるような危険行為は絶対にしてはいけない。
ハスキー犬は好奇心が強く、窓の外に引き寄せられやすい。ルカも何度か前脚をクレートの扉に押し当て、外を見ようとしていた。そのたびに「ダメ」と声をかけ、落ち着いたらおやつをひとつ。これを繰り返すうちに、後半はほとんど自分から横になって眠っていた。

ドッグランやワンちゃん用の施設を利用する際には、1年以内の狂犬病予防接種証明書と混合ワクチン接種証明書が必要不可欠。ワクチンの接種期限が1年を過ぎていないかどうかの確認も必ずしておこう。
書類の確認は、出発前夜にやっておくのがおすすめだ。当日の朝はどうせバタバタする。

目的地に着いたのは昼少し前。車のドアを開けた瞬間、ルカが大きく鼻を動かした。松の木の匂い、土の湿り気、遠くで吠える犬の声。すべてが新鮮な刺激として届いているのだろう。ハスキー犬との遠距離移動は確かに手間がかかる。でも、あの瞬間の顔を見ると、また連れてきてやりたいと思う。それだけで十分だ、と思う。
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