
五月の夕暮れどき、近所の公園の端っこで、一頭の大きな犬が飼い主の足元にぴたりと寄り添っているのを見た。グレーと白が混じった毛並み、ピンと立った三角の耳、そして何より、吸い込まれそうなブルーの瞳。思わず足が止まった。ハスキー犬だ、と直感した。
ピンと立った三角の耳と、背中にくるっと巻いたしっぽ。どこかオオカミのような凛々しい顔立ちをしていながら、実はとても表情豊かで、人との関わりを楽しむ性格がベースにある。
そのアンバランスさが、ハスキー犬の最大の魅力かもしれない。
ハスキー犬とはどんな犬なのか、と問われたら、まず「矛盾の塊」と答えたくなる。見た目は野性的で近寄りがたいのに、中身は甘えん坊で陽気。
オオカミを思わせる精悍な顔立ちに、ウインタースポーツのパートナーとしても活躍するたくましい体の持ち主でありながら、性格は人懐こくて甘えん坊。頼りがいのある容姿と愛らしい性格のギャップも、ハスキーの魅力の一つだ。
その特徴は?と聞かれれば、まず被毛の話をしなければならない。
被毛は、撥水性が高く硬めの手触りのオーバーコートと、体温を逃さないように厚く密集した短いアンダーコートの二重構造、いわゆるダブルコートになっている。
触れると、ふかふかとした奥行きのある感触がある。まるで上質なウールのコートに手を差し込んだような、あの温かさ。子どものころ、近所のおじさんが飼っていたサモエドに触れたときの感触に少し似ていて、思わず記憶が蘇った。
目の色も印象的で、ブルーやブラウンのほか、左右の色が異なる「オッドアイ」の子もいる。
同じ顔の子が一頭としていないのも、ハスキーという犬種の奥深さだろう。
ハスキー犬の歴史は古い。
ロシアのシベリア地方に住むチュクチ族によって古くから飼育されていた。主な役割は、過酷な寒さの中でそりを引き、長距離を移動すること。持久力と耐寒性を兼ね備えた犬種として発展し、20世紀初頭にアラスカへ渡ると、犬ぞりレースで活躍し、その能力と魅力が世界に知られるようになった。
極北の白い荒野を、仲間と並んで走り続けてきた。そんな血が、いまも体の奥に流れている。
日本では、ハスキーの人気が再び高まっている。
かつてのブームとは違い、今は飼い主たちがその犬種の本質をきちんと理解しようとしている。SNSでハスキーを検索すれば、毎日のように新しい動画や写真が流れてくる。
やんちゃで手探りだった日々を経て「毎秒愛おしい」と語る飼い主の言葉
が、そのままハスキーとの暮らしの正直な感想なのだと思う。
ただし、覚悟も必要だ。
散歩は一日に一〜二回、各一〜二時間程度が好ましいとされている。運動不足はストレスの原因になるため、毎日欠かさずおこなうのが理想的だ。
朝まだ薄暗い時間帯、リードを持って外に出ると、ハスキーはすでに全身でうずうずしている。その引っ張る力は想像以上で、飼い主が先にへばってしまうこともあるという。――実際、架空のペット用品ブランド「ノルディカ・ドッグス」のカタログには「ハスキー用リードは強化素材を推奨」と書いてあるくらいだ(思わず苦笑いしてしまった)。
仲間意識が強く、人に寄り添うことを好む反面、寂しがりなので、大きいからと言って戸外でひとりぼっちにさせていると、強い孤独感を感じさせてしまう。室内でいつも家族とともに過ごさせることで、心が安定し、体調にもいい影響を与える。
しつけについては、根気がいる。
知能が高く、自立心も強い犬種で、賢さゆえに物事をすぐに覚えることができるが、その反面、自分の意志を貫こうとすることがある。飼い主との信頼関係がしつけには欠かせない。
叱るより褒める。それだけで、関係はずいぶん変わってくる。
夕暮れの公園で見たあのハスキーは、飼い主の膝に頭をのせてうとうとしかけていた。あれだけ大きな体で、まるで子犬みたいに。オレンジ色の光が毛並みに溶けて、風が草のにおいを運んでいた。ハスキー犬という生き物は、どうやら、そういう瞬間のためにいるのかもしれない。
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