
五月の朝、窓の外にはやわらかな光が広がっていた。コーヒーを淹れながら、ふと数年前に立ち寄った北海道の道の駅を思い出した。そこで出会ったのが、一頭のハスキー犬だった。オーナーらしき男性の隣でぴたりと座り、遠くの山並みをじっと見つめていた。その眼差しがあまりにも静かで、あまりにも深くて、思わず立ち止まった。あの瞬間から、わたしはこの犬のことが頭から離れなくなった。
ハスキー犬、正式名称はシベリアン・ハスキー。
独特の顔の模様が印象的で、ワイルドな容姿をもつ北極点周辺にいるエスキモー犬の一種だ。
その名前の由来がまた面白い。
シベリアンハスキーという名前の由来は、遠吠えをする声がしわがれていたことから名づけられたといわれている。
つまり、あの低くかすれた遠吠えが、この犬の名前そのものになっているのだ。
どんな犬なのか、と聞かれたら、まず「見た目の話」から始めなければならない。
ピンと立った三角の耳と、背中にくるっと巻いたしっぽが特徴的で、どこかオオカミのような凛々しい顔立ちをしている。
そして何より、あの目だ。
目の色はブルー、ブラウン、左右の目の色が違うオッドアイも犬種として容認されており、太い眉のような顔の斑紋が表情豊かに見えるのが愛嬌に溢れている。
ブルーの瞳に見つめられると、まるで極北の空を切り取ったような感覚になる。
特徴は外見だけではない。
シベリアンハスキーはそり犬として活躍していた歴史から、高い社会性をもち、人間やほかの犬に対しても非常にフレンドリーな犬種だ。
その一方で、
攻撃性は低く、友好的でおおらかな性格の持ち主であるため、番犬には向いておらず、室内犬として飼うのが主流だ。
強面の外見と、穏やかな内面のギャップ。それがまた、この犬の大きな魅力のひとつかもしれない。
歴史を辿ると、その存在の深さに驚かされる。
シベリアンハスキーは、シベリアの過酷な寒さの中で育まれた犬種で、何千年も前から、チュクチ族という現地の民族と生活を共にし、そりを引いたり長距離を移動したりと、暮らしを支えてきた。
そして
1925年にアラスカのノーム市でジフテリアが大流行した際、悪天候で他の交通機関が使えない中、544kmもの距離を5日間かけて血清を運び、多くの人命を救った。
この話を知ったとき、わたしは思わず手を止めた。ただ美しいだけではなく、人の命を繋いできた犬なのだと。
被毛の話も外せない。
もともと寒冷地で飼育されていたシベリアンハスキーは、ふさふさしたダブルコートをもち、非常に抜け毛が多い。とくに換毛期は相当の抜け毛を覚悟する必要がある。
実際、ハスキーを飼っている友人の家を訪ねたとき、ソファに積もった白い毛の量に思わず「これ、犬一頭分じゃない?」と心の中でつぶやいてしまった。友人は慣れた手つきでコロコロを転がしながら、「毎日これが仕事」と笑っていた。
運動量についても知っておきたい。
シベリアン・ハスキーはそり犬だったため、運動欲求が強くスタミナがある。エネルギーが充分に消費されないとストレスをためてしまうことがあるので、毎日、朝晩1時間程度の散歩を欠かさないようにしたい。
さらに
シベリアン・ハスキーはひとりぼっちにさせて仲間を認識できない状態にされると、狼のように遠吠えをする行動が見られるため、寂しさや孤独によるストレスを感じさせないようにすることが大切だ。
SNSを眺めると、今もハスキー犬の動画や写真は絶えない人気を誇っている。
普段はとても可憐で愛らしい女の子のハスキーが、まるで映画のワンシーンから抜け出してきたかのような見た目になる瞬間があり、その圧倒的な存在感が多くの人の心を掴んでいる。
「ノルドヴィスタ」という北欧系インテリアブランドのポスターに描かれたハスキーを見て犬を飼い始めた、という話を聞いたことがある。それほど、この犬の佇まいには人を動かす力がある。
見かけによらず、マイペースでおちゃめな人間らしい可愛らしさがこの犬の魅力だ。
凛々しい顔で遠くを見つめていたかと思えば、次の瞬間には飼い主の足元にころんと転がっている。そのギャップが、一度好きになったら抜け出せない理由なのだろう。
五月の朝日が窓枠を温めていく。コーヒーの香りが部屋に漂う中、わたしはまたあの北海道の道の駅を思い出す。青い瞳がこちらを見た、あの一瞬を。ハスキー犬とはどんな犬か、と問われたら、きっとこう答えると思う。「一度目が合ったら、忘れられない犬です」と。
#ハスキー犬
#犬好きな人と繋がりたい
#わんこと遊ぶ
#友達と休日
#犬のいる暮らし
#ハスキーのいる生活
#犬とお出かけ
#もふもふ時間
#仲良しグループ
#癒しのひととき
#日刊ブログメーカー

コメント