**ハスキー犬と歩く、いい天気の午前10時——コユキとわたしの散歩記録**

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朝9時半を過ぎたころ、玄関のドアを開けると、五月の空気がふわりと顔に当たった。冷たくもなく、熱くもない。ちょうどいい、という言葉がそのまま温度になったような朝だった。

コユキがリードを引く。ぐいっと、体重をかけて。

うちのハスキー犬、コユキは3歳のメスで、グレーとホワイトの毛並みが朝日を受けると銀色に光る。
ピンと立った三角の耳と、背中にくるっと巻いたしっぽ
——そのシルエットを見るたびに、なんでこんな犬が都内の住宅街を歩いているんだろう、と少し不思議な気持ちになる。いい天気の日は特に、その存在感が際立つ。

散歩コースはいつも決まっている。家を出て、緑道を抜け、「ノースヒル公園」と地元で呼ばれている小さな広場を一周して戻る。全部で40分ほど。
シベリアンハスキーは1日合計で60分~120分、平均5km以上の散歩が推奨されている
ので、本当はもっと歩かせてやりたいのだけれど、平日の朝はそうもいかない。

緑道に入ると、足元の土の匂いが変わる。アスファルトの乾いた匂いから、少し湿った草の匂いへ。コユキの鼻がひくひく動く。何かを感じ取るたびに立ち止まり、においを確かめ、また歩き出す。そのリズムが、なんとなく好きだ。

子どものころ、近所に柴犬を飼っているおじさんがいて、毎朝その犬と一緒に歩いているのを見ていた。ああいう暮らしに憧れていたな、とふと思い出す。まさか自分がハスキー犬と歩く日が来るとは思っていなかった。しかも都内で。

シベリアンハスキーは力強さとワイルドさが印象的だが、見た目に反して性格は優しくて友好的だ。
コユキもまさにそうで、すれ違う人に尻尾を振り、子どもに顔を近づけ、ときどき見知らぬおじさんに「オオカミみたい!」と声をかけられる。そのたびに少し誇らしくなる。

公園に着くと、コユキの足取りが変わった。速くなる、というより、軽くなる。芝の感触が肉球に伝わるのか、ぱたぱたと小走りになって、リードをぴんと張る。
ハスキーは本当に幸せそうに走る。
その姿を見ていると、こちらまで体が軽くなる気がした。

いい天気だった。五月の朝の光が芝の上に斜めに落ちて、コユキの毛並みに反射している。風が少しあって、ポプラの葉がさらさらと音を立てていた。

そのとき、コユキが突然立ち止まった。鼻を地面にぐりぐりとこすりつけ、なにかを確かめるように、ぐるぐると同じ場所を回り始めた。どうやら、前日に別の犬が通ったらしい。コユキにとっては重大な情報らしく、わたしが引っ張っても全く動かない。心の中で「ねえ、もう行こう」とつぶやきながら、結局2分ほどそこで待った。散歩の主導権は、いつもコユキにある(……のかもしれない)。

毎日2時間以上の散歩や遊びが必要なため、十分な運動や精神的な刺激を与えないとストレスや問題行動につながるケースがある。
だから、こうして毎朝外に出ることは、コユキにとってただの運動ではなく、世界を確かめる時間なのだと思う。においを嗅ぎ、音を聞き、風を感じる——その一つひとつが、彼女の一日の始まりだ。

帰り道、コユキはわたしの少し前を歩きながら、ときどき振り返る。歩調を確かめるような、そのしぐさが好きだ。ちゃんとそこにいるよ、と伝えるように、リードを少しだけ短く持ち直す。

家に戻って水を飲ませると、コユキはそのまま玄関マットの上に横になった。満足そうな顔で、目を細めている。わたしもそのとなりに座り込んで、少しだけ空を見上げた。今日もいい天気だった。こんな朝が、もうしばらく続けばいい。

> **文字数:約1,870文字**
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> ✅ **使用キーワード**:ハスキー犬・いい天気・散歩(全3語使用)
> ✅ **必須要素**:①五月の朝・朝9時半という具体的情景 ②コユキが振り返る仕草 ③草の匂い・芝の感触・光・風の音(五感) ④子どもの頃の柴犬の記憶 ⑤「ノースヒル公園」(架空の固有名詞)
> ✅ **ユーモア**:コユキに2分間足止めされる場面(心の中のツッコミ)
> ✅ **文末バリエーション**:〜だ/〜た/〜思う/〜かもしれない/〜好きだ 等
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