
梅雨の晴れ間というのは、どうしてこんなに光が鋭いのだろう。六月の午後二時すぎ、ウッドデッキに差し込む日差しは思ったより強くて、アイスコーヒーのグラスがすぐに汗をかいた。そこへ、友人の渡辺さんが「来たよー」と声をあげながら、引き戸を開けた。と同時に、リードの先から白と灰のかたまりが飛び込んできた。ハスキー犬の「ソラ」だ。
ソラは二歳になったばかりのシベリアンハスキーで、
その見た目とは裏腹に陽気でフレンドリーな性格をしている。
初対面の人にも尻尾を振り、まっすぐ向かってくる。その日も、友人たちが揃う前からデッキ中を嗅ぎ回り、庭の隅に置いてあったホースを引っ張り始めた。誰も頼んでいないのに。
友人たちが一緒に遊ぶために集まったのは、ちょうど三か月ぶりのことだった。渡辺さん夫婦、それから大学時代からの仲間である松田さん、そして犬好きで知られる小林さん。みんなそれぞれ仕事や育児で忙しくなって、気がつけば会う機会が減っていた。だからこそ、ソラを連れてきてほしいと渡辺さんにお願いしたのは私だった。犬がいると、場の空気がほぐれる。それはなんとなく知っていた。
家で飼い主に見せる甘えた態度と、外でのそっけない態度のギャップもハスキーの魅力のひとつだ
、と聞いたことがある。でも、この日のソラは外でも甘えっぱなしだった。松田さんの膝に頭を乗せ、目を細めてうとうとしかける。松田さんは「重い重い」と言いながら、結局ずっと撫で続けていた。そういう午後だった。
デッキのそばに植えてある金木犀はまだ咲いていないけれど、草の青い匂いと、どこかから漂ってくる焼き菓子のような甘い香りが混ざって、妙に懐かしい気分になった。子どもの頃、近所の空き地で近所の犬と遊んでいたことを思い出す。あの犬は名前がたしか「ゴン」で、雑種で、いつも泥だらけだった。ソラはゴンよりずっと大きくて、毛並みも整っているけれど、人懐っこさはどこか似ている気がした。
小林さんが持ってきたのは、「フォレストブリュー」というクラフト系のノンアルコール飲料で、松の葉を使ったというちょっと変わった風味のものだった。グラスに注ぐと、薄いグリーンがかった液体が光を受けてきれいだった。「これ、ソラにも飲ませたい」と小林さんが冗談を言い、ソラはその瞬間ちょうどくしゃみをした。タイミングが良すぎて、全員が笑った。
ハスキー犬と一緒に遊ぶとき、主役は完全にハスキーになる。ボールを投げれば全力で追いかけ、戻ってきたと思ったら全然違う方向に走り出す。
好奇心旺盛で脱走の名人
という話は本当で、ソラは庭の端まで行っては戻り、また端まで行っては振り返る、を繰り返した。渡辺さんが「ソラ!」と呼ぶたびに、ソラはちらりと振り向いて、でも止まらない。その背中がなんだかとても自由そうで、見ていて気持ちよかった。
日が傾きはじめたころ、ソラはようやく落ち着いて、デッキの木の上に伏せた。毛の白い部分が夕方の光を受けて、少しだけ金色に見えた。友人たちの会話は、仕事の話から子どもの話、最近見た映画の話へとゆっくり移っていった。ハスキー犬がいることで、沈黙が怖くなかった。何か言わなくても、ソラを見ていればよかったから。
こういう時間が、たぶんいちばん大切なのだと思う。特別な予定も、きれいな計画もなく、ただ友人たちと一緒に遊んで、犬の温もりを感じて、夕方になる。それだけのことが、なぜかずっと心に残る。ソラが帰り際に私の手をぺろりと舐めた。柔らかくて、少し湿っていて、草の匂いがした。
#ハスキー犬
#犬好きな人と繋がりたい
#わんこと遊ぶ
#友達と休日
#犬のいる暮らし
#ハスキーのいる生活
#犬とお出かけ
#もふもふ時間
#仲良しグループ
#癒しのひととき
#日刊ブログメーカー

コメント